ルクセンブルクは月41万円! 農場や皿洗いの求人に日本人が殺到…円安で人気「ワーホリ」厳しい現実
オーストラリアは条件を満たせばワーホリビザで最長3年間の滞在が可能だが、1年もたずに途中で断念して帰国する人もいるかもしれない。 「軍資金として100万円持って渡航したとしても、生活費が高いので3ヵ月ほどで底をついてしまいます。その間に仕事に就くことができなければ、帰国せざるを得ない。そういう人が全体の2、3割はいると業界内で言われています」 ◆ワーホリで「成功する人」 ワーホリ成功者も、もちろんいるのだろう。 「たとえばワーホリ制度を使ってオーストラリアで働き始め、現地の会社にサポートしてもらってワーホリビザを3年まで延長し、仕事を続ける人はいます。 あるいは、英語力を身につけたうえで、プログラミングやデザインといった言語以外の武器を生かし、キャリアアップしていく人も一定数いるんじゃないでしょうか。寿司職人、バリスタ、美容師、ネイリストなど、スキルを持った人たちの成功例も多いと思います。 ただ、何をもって成功とするかでしょうね。1年なり2年海外で働いた経験値と、高めた英語力をもとにキャリアアップできれば、成功と言っていいんじゃないでしょうか。 ワーキングホリデー自体は素晴らしい制度ですから、賢く活用して世界に出ていく日本人が増えていくことを願っています」 では最後に、太田さんの「ワーホリで行くおすすめ国」を。 「オーストラリアではコロナの間、帰国できない外国人に対して特別に『パンデミックビザ』が発給されましたが、今年、そのビザの有効期限が切れる人が多いようです。外国人の働き手が出国することで、仕事探しの大変さが多少は緩和されるのではないかと言われています。もう少し様子を見る必要があるとはいえ、オーストラリアはやはり選択肢として欠かせない国でしょうね。 イギリスは今年から受け入れる人数が増えたので、日本人が現地でどんな仕事に就けるか調べて、検討してみてもいいかもしれません。 チャレンジしてほしいという期待を込めて言うと、ルクセンブルクをおすすめしたいところではあります。 英語力を高めたうえでのワーホリに関心がある人は、ぜひ相談してほしいですね」 ▼太田英基(おおた・ひでき)株式会社スクールウィズ代表取締役。1985年、宮城県生まれ。大学在学中に仲間と株式会社オーシャナイズを起業。広告事業「タダコピ」を手がける。丸5年働いて会社を辞め、フィリピンで3ヵ月間の英語留学を経験。その後約2年間、世界50ヵ国を回った。’13年にスクールウィズを立ち上げ、代表取締役に就任。著書に『僕らはまだ、世界を1ミリも知らない』 (幻冬舎文庫)『フィリピン「超」格安英語留学』(東洋経済新報社)など。 取材・文:斉藤さゆり
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