コーヒーを毎日飲むのはヘルシー? 健康に与える影響を栄養士が解説
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
多くの人にとって、朝飲む一杯のコーヒーは重要な儀式。ブラックや水出し、ラテでも、一日の始まりにコーヒーは欠かせない。では、日常生活におけるこのルーチンがどれほど健康的な行為か考えたことはある? 登録栄養士で「ニューヨーク・シティ・ニュートリション」のCEOであるロレイン・カーニーさんが、毎日のコーヒー摂取と健康に与える影響について、専門的な知見を教えてくれた。
コーヒーの健康効果
淹れ方に関わらず、コーヒーは焙煎して粉砕したコーヒー豆から抽出される。コーヒー豆にはマグネシウムなどの栄養素のほか、ポリフェノールやカフェインが含まれている。 長年、発がん性があると考えられてきたコーヒーだけど、現在では多くの研究や専門家がコーヒーと潜在的な健康効果に関連性を見出している。「コーヒーには、認知機能、集中力、注意力を高める天然の興奮剤である抗酸化物質が豊富に含まれています」とカーニーさん。定期的なコーヒー摂取が一部のがん、パーキンソン病、アルツハイマー病のリスク低下につながることを示す研究もあります、と彼女は補足している。
コーヒーの健康リスク
コーヒーに関してもっとも懸念されるのは、興奮剤であるカフェイン。「コーヒーに含まれるカフェインの含有量は、コーヒー豆の種類、淹れ方、飲む量などの要因によって変わります」とカーニーさんは説明する。標準的なコーヒー一杯には、95~200mgのカフェインが含まれている。 米食品医薬品局(FDA)は「危険な悪影響が出ない一般的な量」として、一日あたり400mgのカフェインを挙げている。だが、その影響の出方は人によって異なり、カフェインに対する感受性やカフェインの代謝速度によって変わる。 カーニーさんによると、コーヒーの大量摂取は、不安症、消化器系の問題、筋肉の震え、頭痛、カフェイン依存症、カルシウム吸収の阻害を引き起こす恐れがあるという。また、過剰なカフェインは心拍数や血圧を上昇させる恐れもある。心臓の病気、胃酸逆流、不安障害などをもつ人は、コーヒーの摂取量を制限する、または避けるよう彼女は推奨している。妊娠中の女性は、カフェインの摂取量を一日あたり200mgまでに制限することが推奨されている。 さらに、カフェインはときに命を脅かすこともある。米食品医薬品局は、約1,200mgのカフェインを急速に摂取すると、発作などの毒性作用を引き起こす恐れがあるとしている。一杯あたり200mgのカフェインとすると、濃いコーヒー6杯分に相当する。2023年、米ベーカリーチェーン「パネラ・ブレッド」は、同社のカフェイン入りのチャージド・レモネードを飲んだ直後に心臓病を患う学生が死亡したことで訴訟を起こされている。