演奏中に緊急地震速報が…頭をどう守る? 避難経路は? “避難訓練”コンサートで見えた課題【わたしの防災】
静岡放送
外出先で大きな地震が起きた時、どう避難すれば良いのか、イメージできていますか。浜松市のコンサートホールで地震の発生を想定した演奏会が開かれました。 【写真を見る】演奏中に緊急地震速報が…頭をどう守る? 避難経路は? “避難訓練”コンサートで見えた課題【わたしの防災】 11月9日、浜松市中央区のホールで地元の高校の吹奏楽部などによるコンサートが開かれました。来場者が穏やかな音色を楽しんでいた開演から約40分後のことでした。緊急地震速報が鳴り、緊迫した空気のなか、職員がステージ上に駆け込みました。 「ただいま地震が発生しております。当館は耐震性のある建物です。むやみに外に飛び出さず、その場で動かないようにしてください」 このイベントのタイトルは「避難訓練コンサート」。東日本大震災をきっかけに始まり、7回目の開催となりました。参加者は、イベント中に訓練があることは知っていますが、いつ始まるのかはわからない状態でした。コンサートの最中に、震度6弱の巨大地震が起こった想定です。 <浜松総局 野田栞里記者> 「職員の誘導に従って、観客たち、静かに避難を始めました」 「第二駐車場までゆっくりお進みください。階段ありますのでご注意ください」 訓練開始から約10分で全員の避難が完了しました。今回の訓練はスムーズに進みましたが、課題もありました。 「実際の火災や地震は、煙や大きな揺れがある。パニックに陥ることもないとは言い切れない。(今回の訓練では)自分の身を守るという行動がちょっと足りなかったと思う。例えば頭、上から落下物が来るかもしれないので、ヘルメットを被っていないので頭を保護しながら歩くとか。その辺りが必要」(浜松西消防署 神谷元久消防司令長) 家族4人で参加した父親は「実際起きたらどうなんだろうって思った」、小学4年生は「ドキドキした。学校とかじゃないほかの人がいるところでも、避難訓練は落ち着いてできた」と振り返りました。 また、親子で参加した母親は「こういう取り組みがあると、ちょっと出かけた先で避難はここかなってちょっと気にしてみたりが増える」と話しました。
2024年は、元日に能登半島地震が発生。8月には、宮崎県沖の日向灘の地震をきっかけに、「南海トラフ地震臨時情報」が初めて発表されました。地震は、いつ、どんな状況で起きても不思議ではありません。 「日本語がわからない方がいることを想定して『多言語対応した誘導ボード』を試すことが出来たのは良かった。設定を変えて、毎年訓練を行うことが大切なのかなと考えている」(浜松市雄踏文化センター 綾部祐嗣副館長)
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