宮古島と伊良部島で食べた郷土料理には、イタリアと意外な共通点があった
「あ! イタリアにもよくある料理名だ」と声が出た
居酒屋に行ったばかりと分かっていても翌日の夜、また別の居酒屋に入った。そこで、深く考えさせられた料理に出会ったのだ。なんと、「島らっきょうの天ぷら」があった! らっきょうといえばカレーのイメージだった僕は、「まさか、らっきょうまで天ぷらにしちゃうなんて!」と驚いた。そして、日本在住十数年目にして、僕はらっきょうと沖縄の島らっきょうの違いを初めて知ったのだ。本土のらっきょうに比べて島らっきょうは小振りだけど辛味と香りが強く、塩漬けにして食べることも多いそう。これを知った時に「だから天ぷらにしているんだ」と呟きながらぺろぺろと食べていた。
メニューをさらに見てみると、初めて見た島らっきょうの天ぷらの隣によく知られている「チャンプルー」を見つけた。あまり見たことがない料理から僕も食べたことのある料理へのギャップが面白くて、人生のように料理も何が起こるか分からないとよく理解できたよ。 沖縄に行くたびに必ず頼むチャンプルーは今回、フーチャンプルーにした。いつも思うけど、いろんな食材を一緒に炒めるというシンプルな料理を食べ出したら一瞬でなくなるよね。チャンプルーは沖縄方言で「ごちゃまぜ」という意味だと聞いた時に、「あ! イタリアにもよくある料理名だ」と声が出た。イタリアでは、調理法からそのまま名前にしている料理が割と多い。たとえば、トスカーナの郷土料理である「リボリータ」は、煮込むという意味の「bollita」に「再び」を意味する「ri」からできたんだ。
次の日のランチ時間。「何を食べようかな~」と街中を探索していると、ある文字が書いてある看板を見つけた。それは、「沖縄そば」だ。そういえば沖縄に行くと必ず食べるんだった! と思い出して、急いでお店に入った。 沖縄そばの麺は、いつもの蕎麦粉からできた蕎麦と比べると、どう見ても色も太さも違う。名前も気がついた?蕎麦ではなく、そばだ。漢字をひらがなにするだけで、まるで別のものに見えてしまうと思うのは僕だけではないよね? 実際に、沖縄そばは蕎麦粉ではなく小麦粉で作られている。そばと言いながら、イタリアの生パスタに近い気がする。外国人にとっては蕎麦粉より小麦粉の方が馴染みがあるから、沖縄そばは多くの外国人に人気なんじゃないかな。