優勝メダル入りの盾を手に白い歯を見せる深井利寿（カメラ・早野　智之）

　ボートレースびわこの開設７２周年記念「Ｇ１びわこ大賞」の優勝戦は９月１７日、最終日の第１２Ｒで行われ、１号艇の深井利寿＝滋賀支部＝がイン逃げ勝利。２０１２年の児島周年以来自身２度目、地元では初のＧ１制覇を飾った。この優勝でＶ賞金１２００万円を獲得するとともに、来年３月のＳＧ若松クラシックの出場権も手にした。２着は篠崎元志、３着は馬場貴也だった。 　５０歳を超えての２度目のＧ１制覇に、深井は感無量の表情だった。「遅れないようにと思って行きました」と、インからコンマ０８の快ショットを振り返った。 　３対３の枠なりでスタートだったが、１Ｍの攻防は激しかった。守田俊介がスリット全速で攻め、篠崎も迫力のまくり攻撃。さらに馬場も鋭く差し迫ったが、動じなかった。「守田さんが出てきたのが見えたし、馬場選手に差されへんかなあっと思った。それでもエンジンが良かったし、自分を信じて慌てず行けたのが良かったです」と冷静に強豪勢を抑え込んで２Ｍ先取りにも成功。地元Ｇ１では初のＶゴールに飛び込んだ。 　馬場のＳＧメモリアル連覇や丸野一樹と片橋幸貴のＧ２制覇、遠藤エミのプレミアムＧ１レディースチャンピオン優勝と深井の同僚、滋賀支部勢の勢いは止まらず、奇しくも深井のＧ１制覇の数分後、宮島では遠藤がＧ３オールレディースを優勝。遠藤は深井の弟子だ。「すごいですね。でも向こう（遠藤）はいつもやってますんで（笑い）。滋賀支部のみんながすごすぎて、ついて行けるように、何とか頑張ってました」と師弟同日Ｖに表情が緩んだ。 　さらに、来年３月のＳＧクラシックの出場権を得たことで「まだＳＧで１着を取れていないので、取りたいですね」と、新たな目標もできた。過去２度のＳＧ出場（２０１３年の平和島クラシックと若松オーシャンカップ）では果たせなかったＳＧ水神祭を目指し、この日で通算１６Ｖとなったベテランは、今後も精進を重ねていく。（早野　智之）