3人兄弟なら「大学無償化」のはずが、3男は結局「奨学金」で進学することに!? 大学無償化制度の“注意点”を解説
2025年度から多子世帯の「大学無償化」制度が始まります。「子どもが3人以上いると学費が免除になる」と聞いているかもしれませんが、場合によっては「第3子」は無償化されず、奨学金で進学するということも考えられます。 一体どういうことなのでしょうか。本記事で解説します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
多子世帯の大学無償化制度とは?
2025年度から始まる多子世帯の大学無償化制度の正式名称は「高等教育の修学支援新制度」です。 「高等教育の修学支援新制度」は2020年4月からスタートしており、授業料・入学金の免除または減額と、給付型奨学金の支給があります。 そして、現行の制度から所得制限をなくし、さらに多子世帯を支援する制度が2025年度から始まります。新制度は、子どもを3人以上同時に扶養している間は所得制限なしで、国が定める一定の額まで大学などの授業料・入学金が無償となります。 「国が定める一定の額」とは、大学や短期大学、高等専門学校などによって異なります。国公立大学の場合は入学金が28万で授業料は54万円、私立大学の場合は入学金が26万円で授業料は70万円が上限です。
3人子どもがいても全員が無料で進学できるわけではない
2025年度以降の「高等教育の修学支援新制度」ですが、前記したとおり、無償化になるのは「子どもを3人以上同時に扶養している間」です。そのため、子どもが3人以上いるとしても、扶養しているのが2人以下の時期は、授業料や入学金は無償化になりません。 例えば、3人兄弟で長男と次男が2歳差、次男と三男が3歳差の場合を見ていきましょう。長男が2026年に大学1年生だった場合、長男の学費は2029年の大学4年生まで無償化されます。 続いて次男は2028年に大学1年生になりますが、次男の学費が無償化されるのは、長男が大学生で扶養されている2029年までで、長男が大学卒業後の2030年と翌2031年の学費は無償化の対象外です。 最後に三男ですが、三男が大学1年生になる2031年には、既に長男が卒業して扶養から外れていますので、三男の学費は全て奨学金などで対応する必要があります。