収益悪化…住友ゴム、米国のタイヤ生産終了の理由
住友ゴム工業は米国のタイヤ製造子会社での生産を7日付で終了し、解散することを決定した。生産性や収益の悪化による厳しい事業環境が続き、長期的な収益改善が困難と判断した。今後、北米市場ではアジアなどのグループ工場で製造したタイヤの輸入販売に集中する。北米での研究開発は別の米子会社に移管し継続する。 生産終了・解散に伴う損失465億円を2024年1-9月期連結決算に計上。同社は8日、24年12月期連結業績予想の当期利益が8月予想比400億円減の10億円(前期比97・3%減)になると発表した。 生産を終了した子会社はスミトモラバーUSA(ニューヨーク州)。15年に米グッドイヤーとの提携解消に伴う手続きの過程で住友ゴムの子会社となった。多品種少量生産への移行などを行うも振るわず、コロナ禍の影響もあり生産性改善が進んでいなかった。 生産終了・解散に関連する費用として24年10-12月期に約203億円、25年12月期以降にも約79億円を計上する見通し。一方、事業利益の改善効果として25年12月期に310億円を見込む。 北米販売を輸入品に切り替えることについて、トランプ氏の米大統領就任で関税が重しとなる可能性もある。同社の西口豪一取締役専務執行役員は「今回発動しても値上げや内部努力による構成の改善などで、ある程度吸収していける」と見通しを示した。