フードライター・小寺慶子さんの【土地の思い出と共に心に残る、旅先での一期一会】
【買ってよかった2024 クロワッサンの太鼓判! 旅先の逸品部門】伝統食やローカルフード、工芸品などに出合うのは旅の醍醐味。旅好きの嗅覚で見つけたお気に入りを聞きました。
小寺慶子(こでら・けいこ)さん フードライター 国内外を食べ歩き、レストラン誌、カルチャー誌などで記事を執筆。肉料理をこよなく愛する肉食系ライター。
(新潟)『いろは肉店』の肉だんご
毎年、長岡の花火大会に行くのが恒例になっているのですが、帰りにタイミングが合えば「いろは肉店」に立ち寄って、絶品肉だんごとメンチカツをおみやげに買います。 最初は、長岡で愛されている「ガトウ専科」という洋菓子店の社長にこの店のことを教えていただきました。肉だんごのビジュアルと味に大興奮して、自分でも次の日にお店へ行ったのを覚えています。精肉はもちろん、ミートパイや揚げ物などおいしそうなお惣菜がショーケースにずらりと並んでいて、眺めているだけでとても幸せな気持ちになります。
肉だんごの特徴は、なんといってもその大きさ。3つの大ぶりなだんごが串刺しになっており、頬張ると大人も童心にかえれます。充実した肉感と甘じょっぱいタレのコンビネーションがあとを引くおいしさ。これがひと串120円とは! 何度食べても感動します。 新潟県長岡市谷内1・4・33 TEL.0258・52・2954 日・月曜休
(沖縄)『新垣(あらかき)カミ菓子店』の ちんすこう
沖縄のおみやげといえば、ちんすこうはあまりにも有名ですが、今年、現地のカメラマンに教えてもらって初めて行った「新垣カミ菓子店」は、ちんすこうのイメージががらりと変わるくらい美味でした。なんでも、琉球王朝時代に王府の包丁役(料理方)だった祖先から受け継いでいる製法なのだとか。手作りで大量生産はできないため、空港や国際通りあたりの土産物店では買えません。でも、わざわざ首里の店舗へ買いに行く価値あり! 店内の小さな工房で手作りしている様子も見られます。 あまりに感動したので、沖縄で酒場を営む友人に差し入れたら「地元の人間にちんすこうなんて、いい度胸してるわね」と言われましたが(笑)、後日、「あんなに美味しいちんすこうは初めて食べた」と連絡がきてうれしかったです。 沖縄県那覇市首里儀保町2・13 TEL.098・886・3081