「食べる」ということの原点に。「KURKKU FIELDS」で体験できる、おいしいサステナブルとは?
肉のテリーヌなどをパイ生地で包んだフランスの伝統料理・パテアンクルートの場合。岡田シェフは、猪肉を用いた少し小さめの「プティアンクルート」に仕立て、農園に自生するフキノトウを組み合わせた。パイ生地をザクッと頬張れば、猪肉の澄んだ旨みに続き、フキノトウのほろ苦い風味と春の香りがふわり心地よく広がった。
また猪のソーセージにも、春菊や枝豆などファームで収穫するオーガニック野菜がふんだんに。まさに“旬を味わうシャルキュトリー”! その背景を岡田シェフが教えてくれた。「農業チームをはじめ、スタッフ全員のLINEがあるんです。“今日は春菊が大量に採れました”、“誰も使わないのならウチで全部!”なんてスタッフ間のやりとりを日々、行っています。シャルキュトリーで四季旬菜を表現できるこの環境が、とてもありがたいですよ」
また、猪の骨などはボーンブロス(骨からとっただし)にしてヌードルと合わせてオンライン販売もしている。 “無駄をなくし、すべてを循環させて生かしていきたい”という、「KURKKU FIELDS」のスタッフの思いと岡田シェフならではの職人技が、ジビエのシャルキュトリーの随所に光っていた。
未来へつながる、新しいレストランの形「perus」
最後に紹介するのが、わざわざ行く価値のあるカウンター8席だけの特等席「perus(ペルース)」。大地の恵みに敬意を払い、循環を考え、地球と人間の共生に思いを巡らせる「KURKKU FIELDS」の集大成ともいえるレストラン。
2024年4月からは日帰りの来場者もランチを楽しめるようになった。だがやはり宿泊した上で「perus」の山名シェフの料理と向き合うのが大正解。ランチは週末のみで8食限定、手打ちパスタコース2,980円~。ディナーは「cocoon」宿泊者のみ利用可能、1泊2食付き48,400円~。
「perus」で使う食材は、魚介類と調味料、アルコールドリンク以外はほぼ全て、「KURKKU FIELDS」で育まれたもの。「農場の食材、さらには千葉の地元食材の魅力を、生産者さんの思いと共にクリエイティブに、できる限りわかりやすく表現したいですね」と山名シェフは微笑む。