廃止やむなし? JR久留里線「末端区間」には何があるのか ごった返す車内に“普段の乗客”を見た
クルマで来る鉄道ファンも
ちなみに千葉駅と鴨川市を結ぶ高速バス「カピーナ号」は、上総亀山駅から徒歩6分の亀山・藤林大橋を経由し、久留里線の駅がある松丘、平山、久留里にも停車します。しかも、千葉駅を列車より遅い6時50分に発車して、亀山・藤林大橋に8時10分着(所要1時間20分)です。 東京駅からでも、例えば10時10分にバスターミナル東京八重洲を出る高速バス「アクシー号」は、上総亀山駅から徒歩20分ほどの笹に12時8分着(所要1時間58分)ですから、対東京、対千葉ともに高速バスの利便性が勝ります。 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は土曜日、安房鴨川駅12時50分発の「カピーナ号」に乗り、亀山・藤林大橋13時13分着で亀山に入りました。なお、東京と鴨川市を結ぶ「アクシー号」の場合は、東京から上総亀山に入る場合は笹で降りられますが、安房鴨川発だと笹では下車できないので注意が必要です。 上総亀山駅に近づくと、途切れている線路が見えました。計画では、小湊鐵道と国鉄木原線(現・いすみ鉄道)の上総中野駅まで延伸されるはずだった線路ですが、もうその日は来ないでしょう。 上総亀山駅前には酒屋以外の商店はありません。駅は木造駅舎とトイレだけの設備ですが、トイレは綺麗に保たれていました。元々は1面2線+側線があった駅です。現在では1面1線の棒線ですが、22時到着の最終列車は滞泊して翌朝6時に折り返します。 13時20分ごろに到着した駅には3人の鉄道ファンがいて、駅設備を撮影していました。14時11分の列車到着前には、クルマで駅に来た鉄道ファンが増えました。 列車が到着すると、予想以上に多くの人が降りてきました。数えると147人。家族連れもいます。普段は1列車平均3.8人の区間ですから、ほぼ全て廃線を聞いて乗車した人々ではないでしょうか。 定期券を車掌に見せていたのは2人でしたから、これが普段の利用客数だと思われます。久留里線はSuicaなどの交通系ICカードは使えないため、乗り歩きで便利なのは自動券売機で買えるフリーきっぷ「休日おでかけパス」(2720円)です。