簡単な法則が思い出せない…ほぼ白紙のテスト用紙 教育系Youtuberが語る大学受験「失敗」談
チャンネル登録者数が199万人*(2023年12月時点)を超える教育系YouTuberの葉一(はいち)さんは、大学受験シーズンになると自らの体験談を交えて、受験生を応援する動画を公開しています。本命志望校の受験日に「大失敗をやらかした」と語るその体験とは? そして体験を踏まえて、葉一さんが受験生に心を整える方法をお伝えします。 【写真】理系大学院生のお天気キャスター 入学前は不安だった
――国立大の2次試験当日、体調を崩してしまったそうですね。 そうなんです。センター試験のときは体調も万全で、試験の手応えもまずまずでした。あと数日で国立大の2次試験というところで、のどが痛くなり、微熱が出て……。当日は、ふわふわと宙に浮いているような最悪のコンディションで、それでも自宅から約3時間かけて東京学芸大学の試験会場に向かいました。 その段階で、腕試しで受けていた私立大3校は全滅。センター試験利用方式で東京理科大の合格は決まっていたものの、家庭の事情で私立大には進学しないつもりでした。つまり、この国立大の前期日程で踏ん張らなければ、残るは募集人数の少ない国立の後期日程のみ。そんな状況でした。 ――事実上、本命の東京学芸大1本の受験だったのですね。 そうですね。東京学芸大を目指したのは、高校2年のときに憧れの数学の先生から、「教師に向いている」とすすめられたのがきっかけです。ただ、高校3年の春の時点では、偏差値が20も足りていませんでした。そこで平日は1日5時間、週末は10時間以上かけて基礎から徹底的に勉強した結果、高校3年の夏には模試がD判定に。冬にはA~B判定を取れるくらいにまで追い上げて本番を迎えました。 ――その本番に体調不良。私立大が全滅という状況も重なっていました。 体調のせいにしたいところですが、いろいろなことがマイナス方向に重なって、始まる前から負けは決まっていたようにも思います。試験会場では、周りのみなが頭良さそうに見えるなど、考えることもネガティブのオンパレードでした。 そして1問目からいきなり、簡単な定理を思い出せないんです。その瞬間、アニメのワンシーンみたいに、頭の中でパンッと音が鳴りました。もう、頭の中は真っ白です。ほかの問題を解こうとあがいたものの、何も手につかない。そのまま30分くらい経ったところで、あがきが諦めに変わり、「落ちたな」と思いましたね。あとは、冷や汗なのか、発熱による汗なのかわかりませんが、冷たい汗が背中を伝うのを感じるばかりの長い120分間を過ごし、答案用紙はほぼ白紙のままで出しました。