【ボクシング】13度目大みそか決戦控え井岡一翔「考えがシンプルに」ワンオクTakaと対談
プロボクシング元4階級制覇王者で現WBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(35=井岡)が親友に向け、王座返り咲きを誓った。 10年来の付き合いというロックバンド「ONE OK ROCK」のボーカルTaka(36)と「同年、親友対談」前編の動画がABEMAボクシング公式ユーチューブチャンネルで公開された。収録は12月上旬、約1年ぶりの再会だったという。 7月7日に判定負けを喫したWBA世界同級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)とのダイレクトリマッチが大みそかに開催される。「七夕決戦」となった初対決を振り返ったTakaから「一翔のボクシング人生の中で第2ステップに突入したというか、勝つことも負けることも意味合いとしては一緒になっていく気がする。今までだったら負けることはダメとなっていたけれど、負けることにも次があって、今まさにその壁にぶち当たっているんだろうな」などと語られた。 直後に握手を求めた井岡は「スゲーなと思った。俺たちの世界は結果がすべて。敗者が美化されることがないと思うし、結果を残した者がすべてだと思うから。そこはきれいごと言うつもりはないけれど、何に悔しいって、やっぱり自分が勝ちたかったから悔しいわけで。自分がやってきたことに悔しいかなと思ったら、それは別に胸を張れるというか。大切な人達のためにも勝つためにやってきて。勝ち負けって自分の優越感だけやなと思った」と自己分析した。 もちろん世界王座を保持するというボクサーとしての重要性にもあらためて言及。井岡は「でも世の中に対して証明しないといけないのはもちろん勝つこと。世界王者でい続けることやし」と付け加え、王座返り咲きへの意欲を示した。 また敗戦後に涙を流した際、支援者から激励されたエピソードも明かした。井岡は「前回負けた時に『結果で生きているんじゃねーよ』と言われて。結果を出さないと返せないし、少しでもいろいろな方に少しでも恩返ししたい。そこがないとあかんなと思っていたけれど。その言葉を聞いて、勝ち負けでなく、自分がどうやり切るかと思った。そう思った時にシンプルな考えになった。どうしたい? まだ戦いたい。誰と戦いたい? 前回負けた相手」などと説明。マルティネスとの再戦に至った気持ちの流れも口にした。 13度目の大みそか決戦に向け、Takaに「もちろん勝ち負けは興行的にもスポーツの世界にもなくてはいけないこと。それを理解した上で、今回の試合は楽しんでやってほしい。戦うということはもう知っている。そこに自分の年齢を重ねてきた経験値とすべてを乗っけて相手にパンチしてほしい。楽しんで戦ってほしい」などとエールを送られた。 その言葉をかみしめながら、井岡は「いい時ってすごくリラックスしている。頭をリラックスして体もリラックスしてなおかつ見据えている先のピントが合っているから迷いがない。過緊張していると、自分で自分を追い込んでもパフォーマンス的にもこわばっている。結果として負けたから、良い機会やなと思って今までもっと慎重になってきたところを別に楽にやっても、楽しんでも、動物的な直感でも全然いいし。そっちも大事やなと思った」と応対していた。 また17年大みそかに井岡が一時引退表明していた時期のエピソードも語られた。引退期間に井岡が「ONE OK ROCK」のアジアツアーにほぼ帯同していたとし、トレーニングもせず、体重も気にしない生活をしていた時期だったという。その当時について、Takaから「井岡一翔ポンコツ期」と“命名”された。アーティストとして国内外で活躍するTaKaの背中を見て、井岡は「もう1回、このままじゃアカンという気づきがあった。あの時間はすごく大きい。楽しいけどこのままいったらやばいなと」と振り返り、親友が支えてくれたことを感謝していた。