「新産業で世界で勝つ」“設置・維持費用ゼロ”EV充電器 テラチャージ徳重社長の戦略とは【Bizスクエア】
――EVの世界で、起業家としてやっていきたいという思いが、今も昔も変わらない? テラチャージ 徳重 徹社長: 社会インフラの領域でスタートアップがちゃんとプレゼンスを出していくのは、これからの日本経済にとってもすごく大事なことだと思うし、テラチャージの存在意義だ。新しい産業で、世界で圧倒的に勝っている会社はまだほとんどない。まさに大リーグでは大谷ではないが、そういう事例を作っていかなければいけない。山口県出身なので、高杉晋作の気持ちもある。野球も好きでやっていたので、野茂英雄の気持ちもある。とにかく大変だが、我々が突破するということがすごくある。スタートアップ業界の者として実現したい。 ■EV普及のカギは価格と充電器 勝機は?ベンチャー企業の挑戦 充電器は一つ入ると、もう別のところは入ってこれないので、今のうちにいい場所全部取っておきたいという作戦。世界では大きな国でも2~3社で市場を寡占する。ITなどと似ている。だからこのタイミングでやっているという。この充電器、どんなものがあるのか。 「普通充電器」と「急速充電器」があるが、「普通充電器」はマンションなどに設置する3kWと、ホテルやゴルフ場などに設置する6kWタイプがある。そして道の駅や公共施設などには「急速充電器」を設置している。 ――このビジネスモデルをどう見るか? 千葉商科大学教授 磯山友幸氏: 非常に面白い。ただ、今は利益が出ていないが、場所を取ることを最優先にしている。これは一種の賭け。ガッと普及してきたときには全部抑えられてるという。これはなかなか面白い。ちゃんと普及率がそこまで上がるかどうかがポイントだと思う。 ――人々がたくさん使ってくれないと収益が上がらない。先に設置も維持費も、会社が負担してやっている。だからそのスピードがどれぐらいになるのかということだ。 千葉商科大学教授 磯山友幸氏: あとは実際にそこから得られる利用料。競争が激しくなるとどんどん下がっていくが、下がる前に回収ができるかどうか。