元東京国税局局員のライターが教える、フリーランスの税金対策と「フリーランス新法」の活用術
「他責的な人」はフリーランスには向いてない!
――最後に、フリーランスを目指す人にアドバイスを頂けますか。 小林:今回出した本のタイトルに「新しいフリーランス」とありますが、何をもって新しいと言えるのか、僕自身、あまり言語化できていなかったんですが、フリーランスって必ず何かを犠牲にしてなるものではないと思うんです。 独立の相談を受けていると、収入が減ったり、労働時間が増えたり、「安定」を犠牲にするのが前提と考えている人が少なくない。でも、こうしたことは工夫次第で何とかなりますし、いろいろ工夫できるのがフリーランスのいいところ。 自分らしい働き方や生き方が、今後、ますます求められていくでしょうけど、組織では自分らしい働き方をすることはとても難しい。 自分らしい働き方を楽しみながら整えていけるのが、これからのフリーランス像ではないかなと思います。多くの人がそうした「自分らしさ」を守っていってほしいですね。 ただ、万人がフリーランスに向いているわけではないのも事実。 他責的な人は向いていないと思います。クライアントとトラブルが起きたとき、クライアントのせいにすればラクかもしれませんが、それでは生産性がないし、かえって効率が悪い。 自分で改善できるところがあれば、改善したほうがいい。こうした仕事やお金の問題にきちんと向き合える人が、フリーランスに向いていると思います。 小林義崇(こばやし・よしたか) 2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、ウェブメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーを行っている。『僕らを守るお金の教室』(サンマーク出版刊)、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社刊)ほか著書多数。公式ホームページ <取材・文/齊藤武宏 撮影/山田耕司(扶桑社)>
日刊SPA!