【闘病】低身長・手足短い「軟骨無形成症」 人に見られることが嫌だった時期も…
自分の弱音を吐き出すことで、相手も心を開いてくれることを知った
編集部: 現在の体調や生活などの様子について教えてください。 唯菜さん: 今は通院もしていませんし、薬も服用していません。ただ、これも個人差があります。生活の面では、重いものを持つことや長時間歩くことはできるだけ避けています。無理をすると腰や膝を傷めてしまうことがあるからです。 私の場合は1年以上アキレス腱を痛め続けた経験もあるのですが、そのときは骨延長の際にお世話になった整形外科へ通いました。 編集部: 医療従事者に望むことはありますか? 唯菜さん: 私が生まれた頃は成長ホルモンの注射しかありませんでしたが、今はボックスゾゴ(軟骨無形成症患者の骨形成を促進する薬剤)という注射も始まりました。 成長ホルモン同様、個人差は出るかもしれませんが手術などを繰り返さなくても体のバランスをよくする方法が出てきていることは嬉しいことです。 しかし、同じ障害のお子さんを持つ親御さんの話を聞いていると、先生によって「やってはいけないこと」「やるべきこと」の内容が違うように感じました。しかし、今はSNSなどが盛んな時代です。 同じ障害を抱えていても成長の違い、先生の助言によって行っていることの違いが見えてきます。それを見てきっと不安に感じている親御さんも増えているでしょう。 軟骨無形成症のお子さんを診ている先生たちが、情報共有、アップデートをしていただけると良いのではないかと思います。 編集部: あなたの病気を知らない人に、お願いなどはありますか? 唯菜さん: この病気は個人差があるものの、みな身長は低く、手足が短いのは共通しています。そのため、届かないところがたくさんあります。 わたしも買い物に行くと「これ欲しいけど届かないな」という場面をたくさん経験してきました。もしも、手助けを求められるようなことがあったときには、快く引き受けてくださると嬉しいです。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 唯菜さん: 私自身、大人になるまで自分と同じ障がい者としか出会ったことがありませんでした。社会人になってからさまざまな障害や多様性の世界に触れることが増え、人それぞれの悩み、生き方を知りました。 例えば、高いところが届かないというのは、車いすの方と共通しています。自分の悩みを打ち明けることで共感してもらえたり、解決できたりするのだということを知りました。 この記事をキッカケに1人でも多くの方に軟骨無形成症という障害、病気を知っていただけたら嬉しいです。