【闘病】低身長・手足短い「軟骨無形成症」 人に見られることが嫌だった時期も…
人に見られることが嫌になった時期もあった
編集部: 病気が判明したときの心境について教えてください。 土井さんの母: 母の立場としては、病院を何院も周り、「早く見つけなければならない病気だったら、早期に治療しなければならない病気だったらどうしよう」と不安でした。なので、病名がついたことに、ホッとしました。 ただ、治療がないと聞いて落胆したのも事実です。自分の無力さを感じ、この先の育児・将来への不安、治療がない中で「自分は何をしてやれるのか? 本当に、何もないのか?」という葛藤がありました。 編集部: 唯菜さんは時間の経過とともに、どのような困難がありましたか? 唯菜さん: 物心がついて母親から、自分は人より成長が遅く、みんなみたいに大きくなれないと聞きました。学校で新入生に「なんで小さいの?」と聞かれることが多く、その都度説明しますが、なかなか理解してもらえないことにモヤモヤしていました。 また、外出していると同い年くらいの子に見られたり、付きまとわれたりすることも多く、それが苦痛でした。 小学生低学年の頃は小さくて可愛いと言われることもあり、そんなに嫌な思いをした記憶はありませんが、みんなと同じ身長に少しでも近づきたいと小学5年生の1年間で足の延長手術をしました。 それでもクラスの中で一番小さいことには変わりなく、足には手術の傷が残ることでファッションを楽しめないなど、コンプレックスが増えてしまいました。 編集部: なるほど。ほかにもあれば聞かせてください。 唯菜さん: 同じ年頃の子が成長し、身体的に出来るようになることが増えてくる中で、それに対する遅れを感じたり、不自由を感じたりすることもありました。 また、低身長で手足が短く、頭が大きく、身体のバランスも悪く、筋肉もつきにくいため、よく転んでいました。やれることや見た目など、他者との差がはっきり出てくることで、人に見られることがより嫌になった時期もありました。 編集部: 病気に向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。 唯菜さん: 身の回りにいる家族や友人が、特別扱いすることなく、娘として、姉として、友達として接してくれたことで、学校生活も、大人になってからも明るくマイペースな今の自分がいるのだと思います。 編集部: もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか? 唯菜さん: 「嫌な思いもするけれど、その分いいこともある。人生の中で“幸せ”と“不幸”は同じくらい起きるから乗り越えてきてほしい」ですね。