日本勢4名それぞれの戦いと想い。第71回マカオGP FRワールドカップ/予選レース後コメント集
11月16日に行われた第71回マカオグランプリ FIAフォーミュラ・リージョナル・ワールドカップ予選レースを終えた日本人ドライバー4名の順位、コメントをお届けする。 【写真】クラッシュした小川颯太(TGM Grand Prix)の車両 なお、15周の決勝は日本時間16時30分にスタート予定だが、17日日本時間9時を迎えた時点でもギア・サーキットには激しい雨が降り注いでおり、スケジュールは変更となる可能性もある。 * * * * * * ・中村仁(TOM'S Formula/TGR-DC育成ドライバー) 予選レースグリッド:12番手 予選レース結果:13位 「スタートの蹴り出しは悪くなく、ターン2(マンダリン・オリエンタル・ベンド)まではスタートポジションを守ることができました。ただ、ターン2から先でおがくずが舞い上がって前が見えなくて少し弱腰になり、ターン3(リスボア・ベンド)で数台に先行を許してしまいました」 「ただ、その後は順調に走ることはできていました。ただ、2度目のセーフティカー(SC)直前のリスボアで前輪をロックさせてしまいエスケープに飛び出すかと思ったのですけど、そこはなんとか切り抜けました」 「ただ、コースアウトした車両が僕の目の前に急に戻ってきて、それを避けるためにスローダウンせざる終えなくなり、後ろの車両に抜かれてしまい結果は13位(編注:中村は暫定14番手チェッカーとなったが、暫定6番手となっていたクーパー・ウェブスターに対し正式結果にて5秒ペナルティが下ったため)と、ひとつ順位を下げてレースを終えました」 「予選レースでは、スタート直後のリスボアで行ききれなかった部分があります。そこをどう切り抜けるかがレースの結果に大きくつながってくると思います。13番手からのスタートで前で何があるかわかりませんので安全第一と言いたいところですが、この週末最後のレースなのでしっかりと前を狙って、強い気持ちで走りたいと思います」 ・佐藤凛太郎(TGM Grand Prix) 予選レースグリッド:25番手 予選レース結果:16位 「実はスタート練習の際に、半クラッチを使い過ぎてしまい、クラッチが少し焼けてしまいました。フォーメーションラップ中、山側走行中に無線で報告した際に『とにかくスタートのライトが全部光るまでクラッチはなるべく使わないように』と言われたなかでスタートを迎えることになりました」 「結果はクラッチも反応良く、クルマの加速も悪くなかったのでスタートで4台ほどパスできました。そこでポジションを上げることができた点はよかったと思います」 「ターン2での2台のクラッシュの後、クラッシュした車両を避けるために減速した際、ターン3(リスボア)までの間で1台(編注:ティアゴ・ロドリゲス/エヴァンスGP)にパスされましたが、SC明けのリスタートでその車両もパスでき、無事ぶつかることなく終えることはできたので、今日に関してはポジティブに終えることができました」 「ただ、前にまだ中村選手がいます。同じ日本人ドライバーには負けたくありませんので、日本人トップで終えられるよう、壁にぶつからないようにしつつ頑張りたいと思います」 ・小林利徠斗(TOM'S Formula/TGR-DC育成ドライバー) 予選レースグリッド:23番手 予選レース結果:21位 「マカオのレースは危険でもあるという思いがほとんどを占めていたので、まずは安全に行こうという思いがありました」 「予選レースも大切ではありますが、明日には決勝もあります。決勝に向けてクルマを残すということが大事ですので、無理しないように臨みました。そのため、セーフティカーや赤旗が入る予選レースとなりましたが、無事に帰ってくることができたのはひとつよかったと思います」 「ただ、自分のペースが発揮できなかったこともあり、ここからクルマの見直しとコース攻略を進めて、明日の決勝に備えようと思います」 「(スタート直後ターン2での2台のクラッシュについて)後ろにいた僕の目線からすると、非常に危険なアクシデントでした。ああいうアクシデントを目にしてしまうと命の危険も再認識してしまうと言いますか……。とにかく、前のクラッシュ直後はとにかくペースを落とすことを優先したので避けることができました」 「決勝も安全に完走した上で、もう少しライバルに立ち向かって行けるように挑みたいと思います」 ・小川颯太(TGM Grand Prix) 予選レースグリッド:19番手 予選レース結果:リタイア 「スタートがかなり決まって、ターン2までに3~4台はパスすることができました。ただ、先行車のトゥ(スリップストリーム)がかなり効いてスピードが乗り過ぎてしまったので、外側に避けるポジションをとってターン2を迎えました」 「そうして迎えたターン2でしたが、思ったよりも前の車両に追いついてしまったので、そこでステアリングを切っている時にブレーキを踏んでしまい、リヤタイヤが流れて完全にコントロールを失うかたちでクラッシュしてしまいました。身体の方は大丈夫です」 「壁にぶつかった後はブレーキもクラッチも抜けてしまい、何も操作ができない状況でした。避けてくれた周りのドライバーにはすごく迷惑をかけてしまったというのが今の心境です」 「(決勝に向けて)マシンはかなりダメージを負いましたが、出走できればしっかりと完走し、チェッカーまでクルマを運ぶことも意識し、その中でも勝負の気持ちを失わず貪欲に結果を求め、結果を持ち帰られるように戦いたいです」 「ドライバーがチームに返せるものは結果だと思うので、頑張ります」 [オートスポーツweb 2024年11月17日]