ヤマハ:クアルタラロ殊勲のQ2進出。レースで追い上げのリンス「マシンの感触はとても良かった」/第20戦ソリダリティGP スプリント
11月16日、2024年MotoGP第20戦ソリダリティGP MotoGPクラスのスプリントがスペインのカタロニア・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのファビオ・クアルタラロは10位、アレックス・リンスは16位でフィニッシュした。 【写真】ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2024MotoGP第20戦ソリダリティGP 2日目 午前に行われたフリー走行2回目は、気温12度、路面温度11度と金曜日に引き続き冷え込んだコンディションとなる。このセッションでは予選で使用するソフトタイヤを履いて走行を重ね、クアルタラロは12周を走り1分40秒668のタイムで14番手、リンスは全15周のなかの11周目に記録した1分40秒772のタイムで15番手に入りセッションを終えた。 2台ともに前後ソフトタイヤを選択した予選Q1では、前半から両者1分39秒台を記録する上々の滑り出し。リヤにニュータイヤを投入したセッション後半、クアルタラロが1分39秒404のタイムを叩き出し2番手に入りQ2進出を決める。リンスは接戦の中で惜しくも5番手となりQ1ノックアウトとなった。 続くQ2でもクアルタラロは前後ソフトタイヤの組み合わせを採用。セッション序盤に自己ベストをさらに更新する1分39秒209を記録した。セッション後半のアタック合戦でさらなるタイムアップを狙ったクアルタラロだったが、タイム更新は叶わず。それでもダイレクトQ2勢を2台従えての10番手グリッドを獲得した。 スプリントレースには、クアルタラロがハード/ソフトを、リンスがハード/ミディアムを選びグリッドに着いた。 クアルタラロはスタート直後の混雑を巧みに抜けて6番手まで浮上し、上位陣とバトルを展開したが、4周目までに3台にパスされ9番手まで後退。その後は周囲のライダーたちと競り合いながら、ともに前方の6台による2位集団を追って行く展開となった。 ラスト4周、その2位集団から分断されていたマルコ・ベゼッチ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)の背後に迫ると4コーナーでオーバーテイク。しかし次のメインストレートではまた抜き返される。このバトルの内に後方からブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が迫り、ラスト2周で先行を許す形となった。最終的にクアルタラロはトップから5.937秒差の10位でスプリントを終えている。 一方のリンスは15番手からスタートしたが、3コーナーで前方のペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)が接触によりマシンを破損。脱落したパーツを避けようとラインを変えているあいだに最後尾まで順位を落とした。 しかしその後すぐに5台をパスすると、さらにジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)をオーバーテイク。そこからは終始ルカ・マリーニ(レプソル・ホンダ・チーム)とバトルを展開し、16位でチェッカーを受けた。 ■ファビオ・クアルタラロ(予選:10番手、スプリント:10位) 「もっと速く走れる力があったが、前のライダーたちに完全にブロックされてしまった。ポテンシャルは非常に高くなっていると思うが、何かが欠けていて、ライバルたちにかなり近づいたとしても互角に戦うことができないような状態だ」 「たとえばベゼッチに仕掛けたオーバーテイクも、決して理想的なものではなかった。大きなリスクをかけていて、鮮やかなオーバーテイクとは言えないものだったね。明日に向けてはスピードとグリップ性能の向上に取り組む予定だよ」 ■アレックス・リンス(予選:15番手、スプリント:16位) 「タフな戦いだった。スタート直後にアコスタのフェアリングにぶつかりそうになったため、避けようとして最後尾まで後退していまった。そのようななかで合計6台をパスしたのだから、終わってみれば決して悪くない走りだったのかもしれない」 「マシンの感触はとても良かったが、マリーニを抜こうとしたところでは、すでにタイヤがダメになっていた。1ラップの間、彼の前を走ることができたが、1コーナーの進入でフロントをロックさせて真っ直ぐ行ってしまい、それ以上はどうすることもできなかった」 「全体的には苦しい状況だが、改善策を見つけつつある。1分39秒台後半から40秒台前半で走れているので、オープニングラップで少しの運があれば好結果につなげることも可能だと思っているよ」 [オートスポーツweb 2024年11月17日]