「手入れるのためらう」小学校で使う「クジ入れ」の〝度胸試し感〟が話題に 「ドキドキが2倍になる」
小学校の行事で使うクジ入れ。「ダンボール箱に穴を開けて」と頼まれた男性が、2時間ほどかけて作ったのが「手を入れるのをためらう」ほどの完成度で、SNSで話題になっています。制作者に話を聞きました。 【画像】クジ入れの全貌はこちら。「泣いてクジを取れない子が出そう」「真実の口に手を入れるスリル」
「悪いクジ入れを作った」
Xで話題になったのは、フォトグラファー、井上嘉和さん(@inoue_yoshikazu)が投稿した1枚の「クジ入れ」の画像です。 《民生委員をしている母親から小学校の行事でクジ入れを作るんだけどって相談されてダンボール箱に穴を開けるだけって聞いたけど2時間ほどで悪いクジ入れを作ったので仕事に戻ります》 画像の「クジ入れ」は、虚空を見つめる黒い目が二つ、そしてあんぐりと開いた口からは丸い歯がのぞいています。〝モンスター〟っぽい容姿の割に、全体的に丸みがあるせいか、愛嬌があります。 この投稿は「やだかわいい」「泣いてクジを取れない子が出そう」「(ローマの)真実の口に手を入れるスリルも味わえる」「ドキドキが2倍になる」と反響を集め、4万以上のいいねがつきました。
子どもたちの反応は
作った井上さんに話を聞きました。 大阪府枚方市で父の代から写真館を営み、町の人たちの人生の節目を記録してきました。その傍ら、井上さんは舞台芸術やライブパフォーマンスの撮影をするカメラマンでもあります。 ある日、母がミカン箱を持ってきて井上さんに「穴を開けて」と頼みました。「クジ入れ」だと聞いた段階で、井上さんの頭にはある〝イメージ〟が沸きました。 それは《怖い物には触りたくないけど、ご褒美を手に入れるためには、怖い物に手を入れなければいけない》という葛藤を子どもに生み出すクジ入れ。 イメージを形にすべく、短冊状に切ったダンボールをどんどんミカン箱に貼っていきます。接着に使うのは熱で樹脂を溶かして接着する「グルーガン」。口や目の周りは紙をこよりにして詰めて立体感を出し、表情を作りました。 完成した「悪いクジ入れ」を見た母は驚きつつも、「わーこれはいいわ!」「子どもらの反応が楽しみ!」と喜び、小学校の行事でも誇らしげに披露してくれたそうです。 「悪いクジ入れ」を見た子どもたちは、おそるおそる手を入れたり、「めちゃくちゃウケ」ながら手を突っ込んだりと、様々な反応を見せたと言います。 行事の後、子どもが写真館に来て「あれ、おっちゃんが作ったんか? 僕もほしい!」とねだられるほど、好評だったそうです。