デジタル化で2024年問題を乗り越える! 1年で総労働時間約20%減を実現した、新雪運輸の働きやすさ改革
従業員の子どもが入社したくなる会社を目指して
――働き方改革やボトムアップ型の組織改善など、さまざまな取り組みの結果、定着率や採用などで改善された点をお聞かせください。 働き方改革に取り組んだことで、定着率や採用などは間違いなく向上しています。また、従業員の意見を集約する向上委員会があることで、新しく入社する方の不安を和らげることができていると思います。インパクトが大きかったのは、2024年3月に国土交通省の「働きやすい職場認証制度」で3つ星を取得したことです。今年4月に公表されたトラック事業の認証事業者は全国で2502 社で、そのうち最高ランクの3つ星は34社。国交省に認められていること、3つ星の取得は難しいことなどを説明会などでアピールしています。特に、高校生や先生にはかなり響きますね。 ――貴社の働き方に関する、今後の展望をお聞かせください。 これは会社の展望であり、私の夢でもあるのですが、「今当社で働いてくれている人たちのお子さんが入社したくなる会社」を目指したいですね。そのためにも、「当社に入社して良かった」と感じてもらえるように改革を進めていかなければなりません。 今後も総労働時間の減少には積極的に取り組んでいきます。恐らく、上限規制もさらに厳しくなっていくはずです。もう何度も経験しているのでわかっていますが、「来年から取り組もう」では間に合わないのです。 お客さまに交渉を持ちかけても「1年待ってくれないか」と言われるかもしれません。常にどう削減するかを考えて、効率良く稼げるロールモデルを社内に複数つくっていかなければならないと考えています。そうすると、「走れば稼げる」世代の皆さんの意識改革にもつながるはずです。
プロフィール
石田 英昭さん(新雪運輸株式会社 管理部 人事採用担当) いしだ・ひであき/元トラックドライバーで、2016年に新雪運輸株式会社に入社。人事採用担当として、ドライバーを中心に全社の働きやすさ改革に取り組む。