【クイーンS】ボンドガールの懸念材料は前走着順だけ ヴィクトリアマイル組からはスタニングローズに注目
前走ヴィクトリアマイルはレース展開がカギ
5歳だが、福島牝馬S3着ウインピクシスは軽く扱えない。前年2着馬で、平坦向きの先行力が武器だ。開幕2週目のここは当然、マークしないといけない。 前走クラス別では前走GⅠが【6-4-4-22】勝率16.7%、複勝率38.9%。今年もそうだが、春、GⅠ出走の実績馬がそれなりに顔を合わせ、高い壁になっている。3歳限定GⅠに限ると、3着以内【2-0-0-0】、4、5着出走ゼロ、6着以下【0-0-0-11】。世代限定戦で大敗を喫してしまうと厳しい。NHKマイルC17着ボンドガールにとって気になるデータだ。 前走ヴィクトリアマイル【4-4-4-10】勝率18.2%、複勝率54.5%。着順は3~5着【1-2-1-1】、6~9着【1-1-2-1】、10着以下【2-1-1-7】。素直に好走した5着以内を評価し、ドゥアイズをピックアップしつつ、6着以下からの巻き返しで穴目を拾おう。 6着以下の位置取りは先行【1-1-0-3】勝率20.0%、複勝率40.0%、差し【0-1-3-3】複勝率57.1%、追込【2-0-0-1】勝率、複勝率66.7%。回収値でみると、先行は単46/複64、差しは複98、追込は単390/複140。穴はヴィクトリアマイルで差して不発だった馬。モリアーナ、キタウイングあたりがデータに合致する。 しかし、今年のヴィクトリアマイルは前後半800m45.4-46.4の前傾ラップで、2ハロン目10.5からラスト200m11.7まで緩みなく進んだ。後半600m11.6-11.7-11.7の持久戦をテンハッピーローズが差し切った。どちらかといえば先行勢に苦しい競馬で、データ傾向通りとは限らない可能性は残る。むしろ、ウンブライル、スタニングローズ、コンクシェルなど展開的に苦しかった先行勢が気になる。 スタニングローズは秋華賞以降、勝ち星に恵まれていないが、着差は道悪のエリザベス女王杯を除けば0.8秒以内。4歳春から5歳春まで長い休養があったが、決してパフォーマンスは落ちていない。GⅢ出走は3歳紫苑S以来。あえてクイーンSを選んだ意欲を買いたい。 前走GⅢ【3-4-2-39】勝率6.3%、複勝率18.8%の内訳は直近の牝馬限定重賞マーメイドSが【2-2-2-16】勝率9.1%、複勝率27.3%。5着以内【0-1-1-8】、6着以下【2-1-1-8】。エリカヴィータの巻き返しも考えられる。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳