【陸上】リオ五輪棒高跳金のダ・シルヴァが禁止薬物使用で16ヵ月の資格停止 ポイストゴワはスポーツ仲裁裁判所へ上訴
陸上界の不正を監視する世界陸連の独立機関「アスリート・インテグリティ・ユニット」(AIU)は5月28日、男子棒高跳リオ五輪金メダルのT.ブラス・ダ・シルヴァ(ブラジル)に2023年7月28日から16カ月の資格停止と23年7月2日以降の成績取消の処分を科すことを発表した。禁止物質(オスタリン)の使用/存在があったため。 100mU20世界記録保持者・アシンガがドーピングにより4年間の資格停止処分 記録も取り消しへ 禁止物質はダ・シルヴァが摂取したサプリメントに含まれていたことがわかっており、AIUは当初これを重過失として4年間の資格停止処分を求めていたが、ダ・シルヴァは医療チームの助言に基づいてサプリメントを摂取しており、重過失は認められないとして16カ月間の処分となった。昨年7月から暫定資格処分を受けており、今年11月に処分は終了する。ダ・シルヴァはこの裁定についてスポーツ仲裁裁判所へ上訴することが発表されている。 ダ・シルヴァは地元のリオ五輪で南米記録の6m03を跳び金メダルを獲得した30歳。12年にはU20世界選手権で優勝しており、21年東京五輪では銅メダル、世界選手権では19年ドーハで5位、オレゴンで4位に入っている。 AIUはこのほか5月中にロジャース・ケモイら複数のケニア選手を含む違反者に処分を科すことを発表しているほか、2012年ロンドン五輪女子800m銀メダリストのE.ポイストゴワ(トルコ、現姓グリエフ/2021年以前はロシア国籍)が自身の処分についてスポーツ仲裁裁判所へ上訴することを発表してる。ポイストゴワは禁止物質/方法の使用のため24年3月28日から2年間の資格停止処分と、12年7月17日から14年10月20日の成績取消の処分を受けることになっていたがこれを不服として上訴する。これによりポイストゴワが獲得したロンドン五輪の銀メダルについてはこの上訴が終結するまで確定しないものとなる。
月陸編集部