【東奥日報プラス】「東京の中の“地方”」その3 大名ゆかりの公園群。地方の富でつくられた世界に例のない美しき自然都市。小山内豊彦(青森県立保健大学社会福祉学科特任教授)
現在は「すみだ北斎美術館」が立地している弘前藩(津軽藩)上屋敷跡地=東京都墨田区
さて、前回は、(1)秀吉亡き後、諸大名は秀吉の進めた中央集権的な政策に、嫌気が差しており、分権的な体制を望んでいたこと、(2)秀吉後、覇権を握った家康が豊臣家の支配体制を“反面教師”として、中央集権的な支配体制を選ばなかったこと、(3)そもそも、関が原合戦の勝利は、福島正則等の豊臣系大名の奮闘によりもたらされたものであり、彼ら諸大名を厚遇しなければならなかったこと、などを背景とし、「幕藩体制」という日本歴史上、最も地方分権的で、安定した、そして地方色豊かな政治体制が生まれた、ということを述べた。今回は、それを踏まえ、いかに江戸の町が形成されていったかについて記することとする。
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