地域を変えた高速交通~東北新幹線八戸駅開業20年の軌跡
八戸-東京を最短2時間41分で結ぶはやぶさ号。奥は八戸駅
2002年12月1日に東北新幹線八戸駅(青森県八戸市)が開業してから間もなく20年。新幹線が初めて青森県に乗り入れ、その後の全線開業、北海道新幹線開業の試金石となった八戸駅開業の波及効果や市民意識の変化を探る。八戸市の八戸漁港・館鼻岸壁。毎週日曜朝、暗い時間帯から市民や観光客らでごった返す。2004年に始まった館鼻岸壁朝市は、飲食物や農水産物などを扱う約300店舗が出店する国内最大級の朝市だ。気温が0度近くまで下がった11月中旬、6種類の鍋料理を販売する屋台の女性は「観光客の1番人気はせんべい汁」と話し、鍋にせんべいを投入していった。八戸市を代表する観光資源となった館鼻岸壁朝市と八戸せんべい汁。だが、東北新幹線八戸駅が開業した02年当時、市内に大規模な朝市はなく、せんべい汁は家庭料理の一つに過ぎなかった…
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