東京五輪男子マラソンの「給水妨害疑惑問題」で世界中のSNSが大炎上…当事者の仏ランナーが釈明、謝罪も騒ぎは収まらず
東京五輪の男子マラソンで17位だったフランス代表モルア・アンドゥニ(33)が給水ポイントでミネラルウォーターのペットボトルをなぎ倒した行為が世界に大きな波紋を広げている。海外メディアが次々と報道。偶然のアクシデントか、それともスポーツマンシップに欠ける妨害行為かを巡って海外のSNS上で激しい議論が起こり、アンドゥニも自らのフェイスブックを通じて釈明、メディアを通じて謝罪もしたが“炎上騒ぎ”は収束していない。 問題の“事件”は東京五輪最終日の8日、札幌で開催された男子マラソンの30キロ手前の給水ポイントで起こった。先頭集団にいたアンドゥニは、給水テーブルに並べられた10本以上のミネラルウォーターのペットボトルを端からすべてなぎ倒し、最後の1本をつかんだ。この様子の動画がSNSで投稿され、「他のランナーの給水を妨害しているのではないか」という疑いを持たれ、批判の声が相次いだ。豪州の長距離ランナーのベン・セントローレンス氏も「アンドゥニが最後の1本を取る前に水の列を全部倒してしまっていると思う」とツイート。“意図的妨害行為”という認識を示すと、丸1日のうちに5000回以上リツイートされ、2万3000回以上の「いいね」がついて世界中に拡散した。 海外メディアも次々と報道した。自国のフィガロ紙が、「アンドゥニが給水の際にスポーツマンシップに反するような疑問の行動をした。動画では彼の行為は意図的に見える。アクシデントだと主張するのは難しい」と伝えると、米フォックスニュースも「フランスのマラソンランナーが、五輪の男子マラソンの後半に給水所に並んでいた水のボトルを倒したように見えたとしてネット上で非難を浴びている」と伝え、「ビデオでは、アンドゥニがランナーの集団に混じって給水所に近づいていく様子が映っている。そして彼は水のボトルに手を伸ばし、ドミノ倒しのようにボトルの列をテーブルから落とし、最後の1本を手にして、後続のランナーに何も残さなかったようにも見える」と報じた。 ニューヨークポスト紙も「五輪の男子マラソンで、フランス人ランナーのアンドゥニが給水ステーションに並んでいた水のボトルを倒し最後の1本を自分のものにして波紋を呼んでいる」と伝え、豪州のメディアを引用して豪州の複数の元選手たちの感想を取り上げた。 走り幅跳びの豪州代表としてオリンピック出場経験のあるデイブ・カルバート氏は、豪州のセブン・ニュースで、「あれが意図的に行われたものかどうかは、観客に判断してもらうことになるだろう」とコメント。短中距離選手だったタムシン・マノウ氏は、テレビの放送で「あの飲み物を手にするのはかなり大変だと思う。 でも彼の後ろにいるアスリートにとっては、全く助けになっていない」と語ったという。同紙はレースが気温29度の酷暑の中で行われたことを紹介し、「他の選手にとって幸いだったのは、すぐ先に別の給水所があったことだ」と、この妨害行為で実質的な被害はなかったとの認識を示した。