入浴時の「ヒートショック」 急激な気温差で脳卒中や心筋梗塞のおそれ 高齢者だけではなく若者も注意
(解説:黒木千晶キャスター) 急に寒くなってきた中で気をつけていただきたいのが、「ヒートショック」です。注意が必要なのは、高齢の方だけではありません。入浴時以外にも危険があるということで、ここからは対策について考えていきたいと思います。
まず、お風呂の危険について考えます。2023年のデータですが、浴槽で溺れて亡くなった高齢の方が、全国で6073人います。これは交通事故で亡くなった高齢者の約2.9倍に当たります。お風呂の中で亡くなってしまう方が多いというデータになります。
お風呂で注意が必要な理由は「ヒートショック」。急激な温度変化によって血圧が上下することで、心臓や血管に大きな負担がかかってしまいます。つまり「ヒートショック」は、血圧の変動が大きなポイントになります。
では、お風呂に入っている時に、どのように血圧が変化していくのかを、グラフで見ていきたいと思います。 暖かい部屋の中にいる時は血圧が安定しています。「ヒートショック」は、何度も何度も起きるタイミングがあります。 暖かい部屋から急に寒い脱衣所に入った時、血管が縮んでしまって血圧が上がってしまいます。急激な血圧の変化の時に「ヒートショック」が起きてしまう危険があります。 そこから、さらに寒い浴室に入ると、血圧がぐっと上がってしまう。ここにも「ヒートショック」の危険があるということです。 その後、温かいお風呂、お湯に浸かると、熱の刺激で一旦また血圧がぐっと上がるそうで、ここでも「ヒートショック」の危険があります。 さらにその後、温まってくると血管が広がって血圧がぐっと下がるそうなんです。ここでも「ヒートショック」の危険があります。 そして浴槽から出るタイミングでも温まった効果、さらには水の中にいた水圧の締め付けがなくなったことで、血管が広がってまた血圧がぐっと下がる。 (高岡解説委員) 総じて言えば、急な上がり下がりが良くないということですよね。 (黒木千晶キャスター) そうです。急激な血圧の変動が非常に良くないということです。高齢の方になると血圧の変動が生じやすくて、65歳以上の方は特に注意が必要なんだそうです。