生成AIで知りたい情報がリアルタイムに 確認できたら仕事はどう変わる? テラスカイの新クラウドサービス 「mitoco AI」から考える
誰も作ったことのない製品を作ってみたかった
Salesforceのプラットフォーム上で、会計、営業・マーケティング、販売・在庫管理、グループウェアまで網羅したERPのモジュールを作った会社は世界初ではないでしょうか。 今までのERPは人が使うもの、人間前提の製品だったのですが、これからの時代は全業務システムにAI機能が入ってきます。mitocoERPは後発製品になるので、ChatGPTベースの生成AI機能を組み合わせ、mitocoERPによってAIと人が共存できるような、人間前提ではないシステム、そんな誰も作ったことのない製品を作ってみたかったのです。
知りたい情報をリアルタイムに確認できることにより、みんなの仕事がラクになる
―この機能によって、業務はどのように変わってきますか? 山田:mitocoはユーザー企業の経営に関するデータを集約するプラットフォームですが、「mitoco AI」を組み合わせて導入すると、例えば「1月から3月までに営業をかけた企業のデータを出して」とか「過去3カ月の売掛金はいくら?」「確度が80%以上と設定している商談一覧を出して」「今月の勤務時間が75時間を超えている人は誰?」といった質問に対して、自然言語(プログラミング言語ではなく、我々が普段使っている言語)で指示するだけで解答やデータを表示してくれるようになります。画像を読み込ませて「40歳以上のメガネをかけた社員は誰?」といったような質問も答えてくれるようになります。しかも世界中の言語でできます。 この機能を顧客にプレゼンする中で、特に反響が大きかったのが営業系の方です。Salesforceは既存の顧客データを管理しているので、「今月の見込み商談と営業担当は誰?」とか、「この顧客への最終訪問日はいつ?」といった質問を、リアルタイムに確認できるのは便利です。 また、別の使い方としては第三者が提供している企業情報をSalesforceに連携し、特定の業界でまだ顧客になっていない企業リスト(ホワイトスペース)を出して潜在顧客を探したりするなど、科学的な営業戦略としても使うことができるようになります。全企業データを対話型AIで引き出せるようになるともっと利活用の幅が広がります。こんな素敵な世界はないなと思います。 ーChatGPTの登場は御社にとっても大きな出来事だったのでしょうか? 山田:ChatGPTのおかげで一気にアイデアが出ました。これまで一番悩んでいたのが、日本企業が開発する製品は基本的に日本語ベースの国内向けサービスとなってしまうことでした。せっかくSalesforceというグローバルプラットフォームを利用しているのに、言葉の壁を超えることができない。 ですがChatGPTを用いれば中国語でもイタリア語でもタイ語でも通じる。そうなればユーザーを世界中に広げられます。国内のみならず、グローバルにも展開していきたいです。 ーこれらの機能はどのぐらいの価格で利用できるのでしょうか? 山田 :mitocoは、ユーザー企業が使いたい機能だけを選んで、機能毎に定めた月額費用で利用できる製品です。今回リリースした、「mitoco AI」は主に経営層やライン長が利用することを想定している製品で30ユーザー月額50万円から利用できます。