世界最高峰のスケボー大会「SLS」、アイドルが人生を重ね「泣きそうになったこと」……清司麗菜の#skatelife
インタビューが終わってから「記事で書いてもらってうれしかった」なんてお礼まで言われて……。むしろ、お礼が言いたいのは私の方だ。
スケボーシーンのトップ
女子は、上村選手、赤間凛音選手、吉沢恋選手、ライッサ・レアウ選手(ブラジル)、クロエ・コベル選手(オーストラリア)、織田夢海選手が決勝を戦った。この顔ぶれを見ても、今のスケボーシーンのトップ選手ばかり。その中に「推し」スケーターの上村選手が一緒に戦うってだけでテンションは上がった。
決勝でも、コースの難しさが際立った。セクションが大きいから、技を長く維持しなくちゃいけない。だから、トリックの終わり方がうまくいっていない選手が多かった。そんな中、ライッサ選手、クロエ選手の2人はランをきちんと決めきっていて、対応力の高さを感じさせた。
優勝したのはライッサ選手。赤間選手が2位で、吉沢選手が3位だった。結果はともかく、選手の持ち味を前面に出したすばらしい決勝戦だった。
日本人の中では、赤間選手の安定感が抜群だった。彼女は、基礎的なトリック「オーリー」(スケボーに乗ってジャンプする技)の形がきれいで、私もインスタを画面録画して見ながら参考にしている。派手な技もかっこいいのだけれど、基礎をきちんと磨いているから、とにかく安心して試合を見ることができる。技の組み立てもすごく練られていて、彼女がずっと冷静に試合に臨めるのは、事前準備のたまものだと感じた。
シングルトリックの最後に見せたキラートリック「バーレーグラインド」を決めきったところも本当に見事だった。しっかりとした基礎、冷静な試合運び、そして最後に自分の得意な技を決めきる実力は圧巻だった。
吉沢選手は、「ビッグスピン・フリップボード」をシングルトリックで2本も決めた。最後のトリックは最後にショービット(ボードを後ろ足で地面にたたきつけて180度回転させ、空中でキャッチするトリック)を交ぜる「応用技」だ。これを決めて、会場は大歓声に沸いた。その瞬間、上村選手と抱き合っている姿を見て、勝敗に関係なくたたえ合う文化のすばらしさを感じた。