ヴィーガンになったアーティストたち、その理由、その生活とは?
ステラ・マッカートニー 子どもの頃、みんなから"エコ変人" と呼ばれていた。
──肉は食べない? 毎年何百億頭以上の動物が食用として屠殺され、そのうちの半量は食べられてすらいない――これは私が100%菜食主義者である理由のひとつ。2009年、父のポールや姉のメアリーとともに、エコロジーや倫理、健康の観点から、イギリス国内の肉の消費削減を提唱するミートフリー・マンデー運動を立ち上げました。 ──ヴィーガンになったのはいつ? 母がヴィーガンで、ベジタリアン運動の偉大な先駆者だった。ベジタリアン料理本を最初に出版したのも母。両親から魚や肉を食べることを禁じられてはいなかったけれど、小さい頃から自然とそうなった。いまでこそ、ベジタリアンやヴィーガンであることはクールだけど、私が子どもの頃はみんなに"エコ変人"と呼ばれていたわ。 ──グルテン派? グルテンフリー派? 日によりけり。 ──理想的な食生活は? 大切なのは新鮮な食材を種類豊富に食べること。毎日料理することが大好きだった母が私のお手本。野菜、果物、乳製品、スパイスなどがベースの料理で育った。創造性豊かな料理ばかりで、当時のロンドンでは滅多にお目にかかれなかった、ベジタリアンキッシュやメキシコ料理も食べていました。 ──良くないと思う食生活は? 自分の身体が求めるものは何も禁止しない。身体に耳を傾けることを学べば、正しい選択ができるようになるわ。 ──つい手を伸ばしてしまう大好物は? 豆乳と小麦粉で作ったパンケーキに、バターとメープルシロップをかけたもの。 ──絶対口にしない食べ物は? 有機農場で両親に育てられたので、持続可能な方法で生産された食材以外は一切口にしません。 ──ワイン派? ヘルシーなジュース派? バナナとラズベリーのスムージーと同じくらい、おいしいワインが大好き! Stella McCartney @stellamccartney ファッションデザイナー 1997年、クロエのクリエイティブ・ディレクターを経て、2001年に自身のブランドを設立。皮革、毛皮、羽毛を使わないなど、エコフレンドリーな姿勢を貫く。 *「フィガロジャポン」2024年4月号より抜粋
text: Paola Genone(Madame Figaro)