ヴィーガンになったアーティストたち、その理由、その生活とは?
オラファー・エリアソン フレキシタリアンだけど、食べる素材を意識。
──肉は食べない? 肉中心の食事からプラントベース食に切り替えることで、たとえそれが1日1食でも個々のエコロジカルフットプリントを減らすことができる! 僕はまだ肉から完全に離れることはできなくてフレキシタリアンなんだ。ベルリンにあるアトリエは約90人の従業員がいるので、健康にも環境にも良く、値段も手頃なベジタリアン食を採用した。屋上の有機農園のほか、近隣の農家から食材を仕入れている。それもベルリンから半径10㎞以内で採れたもの。ノウハウ、品質、倫理観を培う農家の人々をサポートすることも絶対必要だから。 ──グルテン派? グルテンフリー派? 日によるかな。いまは世界最小の穀物、テフで作られるエチオピアのパン、インジェラにハマっている。グルテンフリーで食物繊維、鉄分、カルシウムが非常に豊富なんだ。 ──理想的な食生活は? 手本は、たとえばシェ・パニースのオーナーシェフ、アリス・ウォータース。彼女は僕の料理本『スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン』(美術出版社刊)の序文も書いてくれた。 ──良くないと思う食生活は? 無分別な食生活。 ──つい手を伸ばしてしまう大好物は? カラフルな料理。ホワイトラディッシュにマスタードシード、鮮やかな緑色のコリアンダーの葉にレモンバター、ショウガとハチミツ入りのニンジンピュレの艶めくオレンジ色......。 ──絶対口にしない食べ物は? 僕の身体と精神は、自分や地球にとって何が良いかわかるので、自然と避けている。食事によって世界の一部が身体になる。すべては繋がっていて、何らかの結果をもたらすもの。 ──ワイン派? ヘルシーなジュース派? どちらも適量なら。 Olafur Eliasson @studioolafureliasson アーティスト 1995年のヴェネツィア・ビエンナーレに初参加。以来、世界各国で活躍。2024年3月末まで、麻布台ヒルズギャラリーの開館記念で『オラファー・エリアソン展』が開催された。