<下剋上で頂へ―’24センバツ・中央学院>第5部・支える/3 楽しみつつ実力発揮 トレーナー、投手陣成長の陰に /千葉
中央学院がセンバツに向けて出発した前日の7日夕方。食堂で部員たちにマッサージしていたのは、トレーナーの五十住(いそずみ)峰輝さん(55)=習志野市=だ。部員はベッドに横たわって針治療を受けたりマッサージをしてもらったり。リラックスした表情を浮かべ、会話も弾んだ。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 小学生の頃からサッカーに打ち込んだ五十住さんは教員を志して順天堂大学に入り、卒業後は高校の非常勤講師に。「体のことも勉強しよう」と専門学校で学ぶうちに面白くなって、いつの間にか夢は変わっていた。 トレーナーの道に進み、1990年代後半から相馬幸樹監督が所属していた社会人野球チームのシダックスのトレーナーになった。そんな相馬監督が中央学院の監督就任後にけがをした部員を連れてきた。次第に同校との関わりが増え、トレーナーとして部員のマッサージやトレーニングのメニュー作りを行うようになった。 五十住さんが指導するのは主に投手陣。週1回、練習場に顔を出し、けがをしないように実力を発揮する体の使い方を教える。足りていないトレーニングを考え、大きな専用のボールで全身を使って投げたり、グラウンド周辺の坂を走ったりさせる。ゲーム感覚で楽しめるトレーニングも取り入れており、「楽しみながらも、負けたくないという勝負心を付けてもらいたい」と狙いを話す。 センバツまで残りわずか。昨年の秋季大会で投手陣が躍動して勝利に貢献したが、横手投げで140キロ超の臼井夕馬(3年)は見せ場をほとんど作れなかった。成長を見守ってきた五十住さんは「ぜひ、臼井に活躍してもらえたら」と思いを込めた。【林帆南】=つづく