娘への虐待疑われた男性に“逆転無罪” 3年8か月取材を続けた"弁護士記者”が見た刑事司法の問題
■上田記者「乳幼児が亡くなった場合に、どのように死因を判断していくのか、在り方を含めて考えなければいけない」
【吉原キャスター】今回の判決が今西さんに与えた影響はどのようなものだったのでしょうか。 【上田大輔記者】「本当は判決で『無実』だと言ってほしいと。今日の判決は、暴行か病死かはそこまで踏み込まなくても、外からの強い力でそうなったという証明が足りていないという『無罪』なんですね。だから彼が100%求めていた判決ではない。 彼の言葉で『いったん黒と疑われてしまうと、白に塗り替えるのは無理』だという言葉が強いメッセージとして私の中に残りました。この判決だけでなく、彼をそこまで黒い疑いにしてしまった要因というものの在り方を考えていかなければいけないと感じました」 【菊地幸夫弁護士】「拘留されることで『ラベリング』と呼ぶんですが、『あいつは刑務所に入ったんじゃないか』と勘違いする人もいる。こういうことを避けるために、なるべく逮捕や拘留は慎重に行わなければいけない。裁判を受ける立場の人はできるだけ身柄が自由な状態で裁判を受けてもらうことを原則に、まずはそういうところを反省していくきっかけになればと思います」 【上田大輔記者】「一審の裁判から傍聴して取材していたのですが、2歳の女の子が亡くなった非常に悲しい事件。なぜ亡くなったのかを法廷の場で死因究明するという、非常に辛い事件でした。 それで時間がかかるということが本当にいいのか。 死因究明は大事だし捜査しないといけないのは分かるのですが、そういう場が本当に今回のような場で良かったのか。もう一度、こういった乳幼児が亡くなった場合に、どのように死因を判断していくのか、在り方を含めて考えなければいけないと感じました」 (関西テレビ「newsランナー」2024年11月28日)
関西テレビ
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