井上尚弥が来年4月米国ラスベガスでの対戦有力候補へ爆弾発言「カシメロはバカ!」その真意とは?
WBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(26、大橋)が9日、横浜のジムで本格的なジムワークを再開した。11月7日に行われたWBSSの決勝で元5階級制覇王者のノニト・ドネア(37、フィリピン)に判定勝ちした際、右目に眼窩底骨折を負い、安静期間を設けていたが、モンスターがついに再始動した。来年4月米国ラスベガスで予定されている次戦はWBO世界同級王者、ジョンリル・カシメロ(30、フィリピン)がターゲット。予定されていたMPプロモーションとの直接交渉が延期になるなど、一気に合意とはいかなかったが、井上は「もちろん標的はカシメロ」と断言。ただカシメロについて「いい意味でバカ」と爆弾発言を行った。その発言の真意とは? 来年の井上尚弥の防衛ロードが面白くなってきた。
生やした口髭が様になりつつある。 「ちょっとワイルドで。ほら。ボディワイルド(下着ブランド)が(スポンサーに)ついているから」 井上曰くSNSの反響は8割が「似合っている」、2割が「ないほうがいい」だという。 「ない方がいいという声はあるけど、似合っていないとは言われない(笑)。8割も賛成がいるなら、このままでいいかなと」 そう言って悪戯めいた笑みを浮かべた。 タヒチ焼けがまだ残る逞しい肉体をさらけだして井上尚弥は動いた。シャドーに続き太田光亮トレーナー を相手にミット打ちまで披露。ジムワーク初日にしては、しっかりとボクシングをやった。 「鈍いですね。こんなに休んだのは初めてですから」 WBSS決勝のドネア戦を終えて約1か月。 「久々の12ラウンドを22000人の前でやった。今まで以上に余韻は抜けづらかった。でも、それだけのことを成し遂げた、と、自分でも思うことがあった。でも、もうダメージも抜けている。心身共にリラックスしてきた。きょうから少しずつ来年春に向けて練習する」 2ラウンドに左フックを浴び、負った眼窩底骨折の特徴であるモノが二重に見える症状は、試合直後のインタビューを終えるころには治っていて、今回、手術をせず保存治療になったという。 それでも縫った右目まぶたの傷跡が痛々しい。 「折れているので、この辺を触ると違和感はある」 スパーリング再開までに時間はかかるが、次戦のスケジュールは固まった。 大橋会長は、注目の次戦は「来年4月に米国ラスベガス」で行われることを明かした。トップランク社との契約では、来年2試合をアメリカで行うことになっている。その次戦の対戦最有力候補は、WBO世界同級王者、カシメロである。 所属するMP(マニー・パッキャオ)プロモーションの幹部が直接交渉のため、先週、東京で開催されたWBO総会に合わせて日本に乗り込んでくるとされていたが、大橋会長との接触はなかった。そのWBO総会に参加予定だったカシメロは、ビザを取得できず来日できないなど、WBOのバルカルセル会長が「5日に何かが起きる」としていた電撃合意は流れた。一部の海外メディアは、WBC世界同級王者で、弟の拓真を判定で破ったノルディ・ウーバーリ(フランス)が「カシメロより先になった」と報じたが、そういう事実はなく、井上も次戦について「もちろん、カシメロですよ。標的は」と改めて断言した。