【ジャパンC】過去43回で勝利した外国馬は14頭中8頭が欧州馬 ヨーロッパのホースマンにとってのJCとは…
続いて話を聞かせてくれたのはジョセフ・オブライエン調教師。 アイルランドの名調教師であるエイダン・オブライエンの息子で父と同じく若くしてトップトレーナーの仲間入りを果たし、2024年には管理馬のアルリファーに武豊を乗せて凱旋門賞へ参戦したことも話題となった。 そんな彼にとってもジャパンCは「世界で最も偉大なレースのひとつ」だと言う。 「毎年見ているし、いつかは出走させたい。参戦するにはトップホースが必要だけれど、いつの日か必ず走らせたい」
サッカー界のスーパースター、元イングランド代表のマイケル・オーウェンもこの日、ゴフスにやってきていた。 現役当時から競馬ビジネスを立ち上げるなど、競馬に高い関心を持っていたオーウェンは2014年にも所有馬がGIホースになるなど、競馬界でも成功を収めているが……彼も日本競馬に高い関心を寄せている。 「イクイノックスがドバイシーマクラシックを制したのを現地で見ていたよ。日本の競馬レベルはとても高いし、いつかジャパンCへ参戦できるような馬を手に入れたいね」
ゴフスでの取材中、最後に現れたのはエイダン・オブライエン調教師だった。 ジョセフの父であり、管理馬で世界各国のGⅠを勝利し続けその数はなんと400以上。そんな世紀の名伯楽でもジャパンCは6頭を送り込んで未勝利と未だ勝利に届いていない。 しかし、今年はディープインパクト産駒のイギリスダービー馬、オーギュストロダンでの参戦を予定している。 この一戦がラストランになるとも言われているが、なぜ最後のレースにジャパンCを選んだのか? 「ジャパンCはオーギュストロダンにとって合うレースだとずっと話していた。ディープインパクト産駒で硬い馬場には合う。完璧な組み合わせになるんだ。昨年からジャパンCのために調教してきたよ」
オーギュストロダンの父、ディープインパクトと言えば自身も2006年にジャパンCを制し、種牡馬としても歴代最多となる4勝を挙げるほど。 そんなディープインパクトの最終世代の産駒として挑むオーギュストロダンにオブライエンは高い期待を寄せている。 「勝つのはとても難しいけれど、オーギュストロダンが最後に勝てれば特別なことになるよ」 世界的名伯楽が掴めていないビッグタイトルであるジャパンC。ディープインパクトのラストクロップであるオーギュストロダンが勝利して、最高のラストランを見せてくれるかもしれない。 ■文/福嶌 弘
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