【広島】坂倉将吾 2025年の糧となる〝プレミア12〟台湾での衝撃「あの2試合だけは…」
名実ともに球界を代表する打てる捕手に――。小園、秋山に続く広島の新年インタビュー第3弾は坂倉将吾捕手(26)が登場。初の打撃タイトル取りを誓った。2024年シーズン前半は極度の打撃不振に陥ったが、後半戦以降は脅威的な復調を遂げ、11月の「プレミア12」では侍ジャパン正妻として大活躍。右肩上がりの軌跡のまま25年シーズンを完走し、「日本一チームの正捕手」になれば26年のWBC日本代表入りも見えてくる。本格的な打棒開眼を目指す背番号31の胸中に迫った。 【写真】今季の目標を色紙にしたためた広島・坂倉 ――24年シーズンを振り返って 坂倉 打撃で良くないという意味ですごく大きな波が来てしまった。そこに対し、他の人たちからの力も借りつつ、何とか乗り越えることができたというのが印象に残っていますね。 ――7月以降は状態を戻した。不振脱出は自分の中で、確かな手応えがあってのものでは 坂倉 オールスターで出たホームランは、あくまでたまたま出た結果というか…。でも、その後は、いい角度でバットが出るようになったというか、打席での感覚で良くなったのは確かです。 ――打撃面は4年連続で規定打席入り。そろそろタイトルを狙ってもいいのでは 坂倉 狙うとすれば…首位打者ですかね。21年に少し争った経験もあるので、そういう経験も生かせればと思います。 ――打撃項目へのこだわりは 坂倉 打者の価値という部分で基本的には自分はOPSが大事と思っていて。理想としては常に8~9割は出したいと思っていて。そのためには出塁率、長打率はもっと上げていかないと、と思ってます。 ――24年のOPSは通算7割4分も、8月以降の後半戦は8月が9割5分3厘、9月が7割7分2厘、10月は9割9厘 坂倉 なので、その水準を年間を通して継続したい。昨年は前半戦のOPSが(不振で)2割とか、3割だったので。 ――その水準を常時、維持できれば打率も3割前後は勝手についてくるのでは 坂倉 そうなればな、とは思っていますし、逆にそれでついこなければ、また何かを考えなければならないかなと。細かく言えば、長打率5割、出塁率4割はすごく打者として、信用の高い数と思ってます。 ――日本代表・侍ジャパンでも7試合で打率4割4分4厘、1本塁打、4打点で大会ベストナインに。どんな1か月だった 坂倉 本当に素晴らしい選手ばかりでいろいろと学ぶこともあり、逆に聞かれることもありました。充実した1か月でした。 ――印象深い試合は 坂倉 台湾での韓国、台湾戦ですね。あれほどの完全アウェーの中で試合をやるというのは初めてで…。試合前からかなりミーティングをしっかりとやって、試合を迎えたのですが、あの2試合だけは…。 ――何があった 坂倉 韓国と台湾の打者陣はミーティングした以上の内容で対応力があって。すごく困ったし、テンパったというか…。 ――自分の思考が目の前の試合展開に、追いつかないような状態に 坂倉 そうですね。試合の中で。あれもして、これもしないといけないというなか、すごく考えさせられた試合でした。球場の雰囲気が日本にとって完全アウェーで。敵の応援で声も何も耳に全く何も聞こえてこない。逆に頭に入れた情報が、記憶から飛んでいったりする。耳に騒音が入ることによって、アレ? どうだったっけ? って。 ――でも、最終的には勝ち切れた。それは大きかったのでは 坂倉 そうですね。あそこでもし、負けていたら『う~ん…』と、なっていたかもしれないです。勝てたことですごく、いい経験をしたと言えるのかなと思います。 ――改めて26年のWBCは出たいか 坂倉 もちろん。WBCでもジャパンに選ばれたいという気持ちはより一層、出てきたかなとは思いますね。 ――そういった部分でも今年は大事な1年になる 坂倉 そうですね。昨年、プレミアの決勝で負けて、負ける怖さや勝たなくてはいけない重圧というのはすごく経験させてもらいました。そういう経験をしたからこそ、選ばれるのが怖いなっていう思いもあるんです。でもやっぱり、気持ちとしても、それ以上に上回っているのが、まわりの選手からの刺激だったりとか、国際試合でしかできない経験はやっぱり何度でも味わいたい。そのためにも、まずはシーズンで自分が頑張らないといけない。また、そういう舞台に呼んでいただけるように、まずは自分のチームでしっかりとしたパフォーマンスを見せていきたいと思っています。
赤坂高志