ライトヘビー級王者をTKO撃破!アルバレスの衝撃4階級制覇で村田諒太の最終標的はどうなる?!
WBA世界ミドル級スーパー、WBC世界同級フランチャイズ、WBA世界スーパーミドル級王者のサウル“カネロ”アルバレス(29、メキシコ)が2日(日本時間3日)、米国ラスベガスのMGMグランドガーデンアリーナで、WBO世界ライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフ(36、ロシア)のタイトルに挑戦、11ラウンド2分15秒にTKOで勝利し4階級制覇を成し遂げた。アルバレスはWBA世界ミドル級王者の村田諒太(33、帝拳)が狙っているビッグスター。2階級上の異例の挑戦で桁外れの破壊力を見せつけた。
実行した我慢の作戦の果てに
本場アメリカの“聖地”MGMグランドガーデンアリーナを埋めた1万4490人のファンは、とんだ待ちぼうけを食らった。セミファイナルのライト級のノンタイトル戦でライアン・ガルシア(21、米国)が、秒殺でKO勝利したが、試合時間が繰り上がることはなく、1時間以上も観客は、メインの試合を待たされることになった。 実は、ニューヨークでトランプ大統領の観戦で話題の総合格闘技「UFC244」が行われていたため、この試合の独占放映権を持つ「DAZN」が、生中継で視聴契約者を増やしたいため、UFCの試合が終わるのを待っていたのだ。だが、UFCの放映権を持つESPNと交渉し、場内のビジョンに、そのメインのホルヘ・マスヴィダル(米国)対ネイト・ディアス(米国)戦が放映されていたため、大きな混乱にはならなかった。気の毒だったのは、控室のソファで居眠りをしていた両選手だろう。 ようやくのゴング。序盤は、身長で10センチ、リーチで5センチ上回る長身のコバレフが、その長いジャブを生かして距離を取ってペースを握った。アルバレスはガードを固め、カウンターを狙いながら、懐に入ってフックを振り回すがヒットはしない。逆にコバレフの手数が目立った。やはり2階級上への挑戦は無謀だったのか……との空気が場内に流れ始めていた。 だが、これはアルバレスの作戦だった。 「基本的なプランは忍耐することだった。 5、6ラウンドまでは忍耐。彼をつかまえるには時間がかかることはわかっていた。彼は守備的にガードを閉じていた。非常に繊細な叩きになったが、彼がやったのはポイントを確立しようとすることだけ。何が来るのかはわかっていた」 コバレフの距離と戦術にてこずっていた。ジャブは届かずフックは空回り。だが、弱点とされていたボディ攻撃から活路をつかむ。コバレフも踏み込んでのパンチがない。