メルセデスの超高級ミニバンはどれだけ豪華? 新型Vクラスの「プラチナムスイート」に試乗
さっそく後席に乗り込むべく、スライドドアを開ける。オフホワイトにも見える明るいベージュカラーのナッパレザーで仕立てられた「エクスクルーシブシート」は、2列目の標準装備だ(V 220 d ロングとV 220 d エクストラ ロングにはオプションで追加可能)。座ってみると全身が包み込まれる感覚で、車内が極上のくつろぎ空間になる。
足元には角度の付いたフットレストが。後頭部を優しく支えてくれるクッション付きヘッドレストも備わっている。シートは手元のスイッチで簡単にリクライニングすることが可能(もちろん電動)。シートベンチレーターの効きもよく、いたって快適だ。折りたたみ式のテーブルを展開すればノートPCを使って作業をしたり、食事を楽しんだりすることもできる。 ただし、エンジンをオフにしてしまうとリクライニングできなくなってしまうので注意が必要だ。
■2列目シートは重くてスライドしにくい 3列目シートにも座ってみた。身長178cmの筆者でも、2列目シートを前方にスライドさせておけば足をめいっぱい伸ばせる。広さは十分なので、成人男性が3人で乗っても窮屈に感じることはないだろう。ただ、ドリンクホルダーが前寄りにひとつと、スマホくらいしか入れることができない細いポケットがあるだけと収納は少ない。3列目の使い勝手は微妙だと感じた。 2列目と3列目のシートは全て取り外し可能。そうすれば車両の後方全体を荷室空間として活用できる。ただ、シートはかなり重いので、実際に取り外すのはあきらめた。
3列目シートは使わないことにして2列目シートをめいっぱい後方にスライドすれば、飛行機のファーストクラスかのような快適空間が完成する。乗車定員は7名だが4人乗りの高級ミニバンとして割り切って使うのもありだ。
ただ、この2列目シート(エクスクルーシブシート)の前後スライドは手動でしか動かすことができず、これがまた非常に重くて動かしにくい。かなり力を入れないと前後にスライドしてくれなかった。 担当者に聞いたところ、2~3列目シートを全て取り外せるようにしているため、シートのスライドは電動にしていないとのこと。2列目シートに座った状態で全身を使ってスライドさせれば多少は楽だが、とはいえ、3列目にアクセスするたびに、重い2列目シートをスライドさせなければならないのかと思うと少々気が滅入る。 また、このエクスクルーシブシート(2列目)はUSB-Cポートとスマホ用のトレイを備えているが、トレイは無線充電に対応していない。スマホを置くだけのトレイとなる。このあたりも改善してほしいところだ。