【令和の米騒動か】米の在庫不足・価格高騰で悲鳴 スーパーから米が消える…影響は?いつまで続く?
2024年7月、農水省は「お米の民間在庫量」が、前年比で41万t 少ない156万t と、統計史上、過去最少の結果となったことを発表。スーパーでは、欠品が相次ぐ事態となっています。 【写真18枚】米の在庫不足・価格高騰で悲鳴 スーパーから米が消える…くわしく解説 を画像で見る 都内に店舗を構えるスーパー「アキダイ」では、お米コーナーがほとんど空に…。 「アキダイ」秋葉弘道 店長: 何袋ちょうだいって言えば、それが来るんですよ。普通にそれが今までは当たり前ですけど、今は頼んだ数が来ないですね。 買い物客: おとといくらい(別の)スーパー行ったんですけど、確かになかったですね。(目当ての5kgが)なかったので2kgのものを買いました。 また、埼玉県・越谷市のスーパーでは、主に扱っていた10kgのお米が十分に入荷できなくなり、2kgのお米を確保し、購入制限を設けた上で、販売しているといいます。 「米不足」で思い出されるのは、記録的な冷夏の影響で深刻な米不足となりアメリカ産の米やタイ米が店頭に並んだ、約30年前の「平成の米騒動」。 果たして、今回は「令和の米騒動」となってしまうのでしょうか?
「首都圏で何が起こっているのか?」
過去25年で最低となった「お米の在庫量」。 その原因は、人口減少を受け毎年10万t ペースで消費が減少している中で、政府が米の生産をコントロールしていること、去年から続く猛暑の影響で、米の品質が低下し収穫量が減少したこと、また、コロナ禍が終わり、急増した外国人観光客の需要が伸びたことも一因だといわれています。 それに伴い、価格も秋田産「あきたこまち」5kgが2787円と、去年の同時期と比べ約700円値上がり。茨城産「ちほみのりは」5kgは2906円と、去年の同時期と比べ約1200円値上がりしています。 さらに、自身も米穀店を経営して、米に関する7大資格を取得している澁谷梨絵さんによると、この “米不足”には地域差があるといいます。 澁谷梨絵さん: お米があるところというのは、農家さんたちと直接取引をしていてある程度在庫を確保していて、値段も決まっていて出すことができる。ただ、ないところは、特に消費県といわれる首都圏のスーパーやドラッグストア、大量に割とお買い求めしやすい価格で販売されているところはなくなっています。 実は、地方の卸問屋さんに聞くと、「首都圏で何が起こっているの?」と驚くくらい、地元のスーパーには並んでいるけど、首都圏からだけ注文が来るという声もあるので、割と地域差があると思います。 米の在庫については、農林水産省も「主食用米の全体需給がひっ迫している状況であるとは考えていない」「民間による在庫も十分あるので平成の米騒動のようにはならない」としています。 しかし、全国の小規模米販売店で作られる団体がまとめたアンケートによると、5月の段階で、収穫期までの在庫量について「確保している」と答えたのが24.3%。「7月くらいまでは確保している」46.0%、「現状需要に対応できない」29.7%と、約76%の米穀店が不安を抱えていました。 福島県の米の卸業者である「樽井商店」でも、現在の米の在庫量は例年の3分の1程度、専務によると「こんなに米がないのは初めて。例年の在庫量になるのは9月後半~10月ごろの予定」と話しています。 澁谷梨絵さん: 私たちも卸業者と取引ありますけども、やはりどんどんお米がなくなっていて、同じような状況で、この銘柄がなくなってしまったから次はこれと、どうにか回している状況というふうには皆さんおっしゃっています。