「富永も必ずNBAのコートに立てる」河村勇輝はなぜ富永啓生を“ライバル”と呼ばない?「地元の同級生のような…」じっくり語った親友への想い
富永がGリーグで苦しむ理由
そんな富永も現在、Gリーグではまだ苦しんでいます。やはり所属するチームへの慣れは必要だと思っています。Gリーグではチームによってプレースタイルはまったく異なります。ボールをよく回して、プレーを作っていくチームもあれば、個人の1on1にフォーカスしていくようなチームもあります。 富永がプレーしているマッドアンツはビッグマンの(ジャリル・)オカフォーという選手を中心としたバスケットをやっているので、その周囲の選手とチームの戦術がしっかりと合致しないとなかなか簡単には活躍できないのではないかなと感じています。 一方、僕はPGなので、ボールを手に持てるっていうのが適応という意味では大きかったですね。特に僕がプレーしているハッスルは、みんなでボールをシェアしようとする戦術です。そういった意味では良い環境でバスケットをやらせてもらっていますし、よりスムーズにアジャストできたのかなと思っています。 今回のウィンターショウケースでは富永に久々に会って、本当に良い時間が過ごせました。彼とは気を許せる関係だと思うし、高校の頃から仲が良いので、高校や地元の同級生と会ったみたいな感覚ですよね。試合前も試合後も一緒に日本食を食べに行って、部屋でもいろいろな話ができました。 彼とは普段の生活のことも話しますし、もちろんバスケットのことも話します。昨日(20日)は試合後、今のチーム状況の話をして、あとはBリーグの千葉ジェッツの試合を一緒に見たんです。(渡邊)雄太さんとか(富樫)勇樹さんの試合が見たいねという話になって、2人で大きい画面で一緒に見ました。 2人でいるときに、日本代表に関して「これからも盛り上げていこう」とかシリアスな感じで話すことはありませんでした。今、お互いにGリーグでプレーしていて、そんな余裕はないというか、自分たちの目の前のことで精一杯です。彼も僕も着実に目の前の目標を達成しながら、その目標を達成したらさらに先に見えてくるものに向かって挑戦するっていうタイプ。今はGリーグでプレーしているので、ここでどれだけ結果を残せるかっていうところにフォーカスしていかなければいけません。 さっきも言った通り、自分の中では本当に富永に対してライバルっていう感覚はないです。ライバルっていうと、活躍を素直に喜べない関係の感じがするじゃないですか。ただ、良い意味でもちろん彼に負けていられないなっていう気持ちはあります。これまでお互いに切磋琢磨しながらバスケットをやってきて、このGリーグのシーズンが始まる前には「絶対にNBAのコートに立てるように一緒に頑張ろう」っていう話はしていました。今でもそんな話はしていますよ。 そういった感じでこれからも、大きな夢に向かって富永と一緒に頑張っていけたらいいなと思っています。 〈後編に続く〉
(「バスケットボールPRESS」杉浦大介 = 文)
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