はやぶさ2最後のミッション JAXA会見(全文3)ローバーの名は「ウルラ」
最後のミッションは何日に終えたのか
共同通信:共同通信の【ヤノ 00:42:44】です。吉川真先生にお伺いしたいんですが、2点ありまして、1つはリュウグウでの最後のミッションを終えた、これは何日をもってというふうに言えるものでしょうかということと、あと先ほど各社から問い合わせがあるとおっしゃっていた点なんですが、12日の前、記者懇談会の前に何かしらの形で発表されるご予定というのはあるんでしょうか。その辺り、発表方法とかも含めてお伺いできたらと。お願いします。 吉川真:リュウグウでの最後のミッションというか、最後の重要なミッションが終わったというのは、これはまさにMINERVA-IIの2の運用が終わった時点ということになります。今後の予定は今のところ検討中でして、現時点ではリュウグウ出発については11月か12月という、そこまでしか現在言えないという状況。 共同通信:ありがとうございます。 司会:次の方。では一番前の方。
ターゲットマーカーの入れ分け方は?
荒舩:ライターの荒舩です。まず吉川健人先生に、ターゲットマーカーの周回で極軌道と赤道軌道の入れたときの、入れ方というか、入れ分け方みたいなのは、どういうふうな違いをつくったのかっていうのをお聞きしたいんですけども。 吉川健人:それは入れ分けた速度をどう設計したかって話ですか。それとも、どういう運用をしたのかっていう。 荒舩:どういう運用をしたかって。2つの違う軌道にどういうふうにターゲットマーカーを入れられたかっていうことです。 吉川健人:分かりました。そこは、まず降下をしているので、いったんまず降下を止めるという、デルタVという、スラスターの噴射を行います。そのときに、まずはターゲットマーカーを軌道投入したい速度に探査機を加速させます。それで、まずは赤道軌道なので、赤道軌道の方向にびゅーっと探査機自身を加速してあげて、そこでターゲットマーカーのワイヤーをぷちっと切ると、そこで探査機とターゲットマーカーは離れるんですね。 ただ、速度は同じなので、そのまま一緒に行っちゃうので、ターゲットマーカーが切れたことを確認、切れた運用を行なったら探査機を少し上昇させてあげるんです。そうすると、ひゅっと周回に入ったまま探査機が上に上がっていくと。 その後、次には極軌道方向の速度を持たせるように探査機を、こっちの速度を止めてあげて、かつ極方向に速度を持たせる、デルタVを与えてあげる。で、また同じように切って、そのあとは、次は観測位置に向かうようにデルタVを噴くというような運用を行ないました。 荒舩:探査機の速度の掛け方で極軌道と赤道軌道を分けたっていう感じですか。 吉川健人:はい、まさしくそのとおりです。 【書き起こし】はやぶさ2最後のミッション JAXA会見 全文4に続く