桜庭vs青木で大晦日格闘技復活
大晦日に行われる格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX(ライジン・ファイティング・ワールド・グランプリ)」の立ち上げ記者会見が8日、東京六本木のミッドタウンでファンを集めて公開で行われた。実行委員長は、PRIDEを主催していた榊原信行氏で、統括本部長は高田延彦。まさに一世を風靡した格闘イベントPRIDEの復活の顔ぶれだが、RAIZINは格闘団体ではなく、あくまでも各団体のトップコンデンダーが集まって世界最強を決める競技会の場というコンセプトで、12月29日、31日と2日間に渡って、“聖地”さいたまスーパーアリーナで開催され、イベントの模様は、フジテレビで放映され、スパイクTVを通じで全米の地上波でも流される。大晦日格闘技の地上波復活は5年ぶり。 8選手によるヘビー級トーナメント(29日に一回戦、31日に準決、決勝)がメインだが、スペシャルマッチとして、29日にグレイシー一族との死闘と、奇想天外なファイトスタイルで、PRIDEの顔となっていたIQレスラー、桜庭和志(46)対、現在シンガポールの総合格闘技団体ONEチャンピオンシップのライト級王者である“バカサバイバー”、青木真也(32)が組まれた。まだ31日には、同じくワンマッチで「60億分の1の最強男」と呼ばれたエメリヤーエンコ・ヒョードル(39歳、ロシア)の3年ぶりとなる復帰戦(相手まだは未定)が行われる。 PRIDE時代には、様々なマスクを被って登場。ファンを熱狂させていた桜庭は、この日も、桜庭マスクを被って会見に現れ「一生懸命、いい試合がでできるように頑張ります」と控えめな発言。一方の日本最高峰の寝技技術を駆使し、現役の日本最強格闘家の一人である青木も、「桜庭選手のやってきたことに最大のリスペクトをしています。しかし、マットの上にあるのは現実です。それを見せたい。会場まで確認しに来てください」と、いつも通りの強気発言をした。 ヘビーで戦ってきた桜庭は、通常85キロで、青木は70キロ。2人には大きな体重差があるため、試合は間をとった契約ウエイトで行われる予定だが、現在は、プロレスのリングを主戦場としていて、2011年以来、4年間、総合格闘技から離れてしまっている46歳の桜庭と、総合格闘家として、脂の乗り切っている青木との対戦は、話題先行型のミスマッチと言われても仕方がないだろう。 「桜庭は、引退試合ではないけれど、実質、引退試合になるのかもしれない」と榊原氏。それでも格闘技の古き良き時代に思いを寄せるファン層を意識してか、「今後、40歳以上の選手を対象にマスターズクラスというものも考えている。例えばルールを4点ポジションのヒザ蹴りはなし、グローブを大きくするとかすればいい。ホイス・グレイシーも、まだ戦いたくてしょうがないと言っている」というプランがあることも明らかにした。