山下健太「スピンがなければ抜かれてた」。坪井翔「速さと強さを一番発揮できたシーズン」【スーパーGT最終戦GT500優勝&チャンピオン会見】
2024年スーパーGTの最終戦となった『SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝後、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットでシリーズチャンピオン会見が行われ、GT500クラスでドライバーとチームのダブルタイトルを獲得した36号車au TOM’S GR Supraの坪井翔、山下健太、伊藤大輔監督が登壇。最終戦でのポール・トゥ・ウインとチャンピオンシップを制した喜びを語った。 【写真】シリーズチャンピオンを獲得したau TOM’S GR Supraの坪井翔(左)、伊藤大輔監督(中央)、山下健太(右) ■坪井翔/第1スティント担当 「フォーメーションラップが1周追加になってくれたおかげで、しっかりとタイヤを温める時間ができたのは大きかったと思います。いつものフォーメーションラップでは足りないと思っていたので増えて良かったなと(笑)」 「スタート直後は後ろとのマージンを築いていくことができましたし、その後もリードを広げられたので、(僕としては)いつもの感じになったなと思いました。しかし100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが追いついてきたことからも分かるとおり、レースペースがちょっとないなとも感じていました 「それでもトップの座を守って山下選手に繋げることができました」 ――シリーズチャンピオンを獲得して 「今回、3回目のチャンピオンを獲得することができました。それぞれのチャンピオンにもちろん意味はあったのですが、1回目は大逆転でのチャンピオン、2回目はしっかり最終戦まで戦って獲ったチャンピオン、そして今年は最終戦を待たずして決める事ができました。同じチャンピオンでもそこまでのプロセスは1回目、2回目とでは全然違ったなと思っています」 「2024年は速さと強さを、これまでで一番発揮できたシーズンだと感じています。ライバル勢に対して『36号車には敵わないね』と思わせられるようなシーズンにできましたし、素晴らしい一年だったと思います」 ■山下健太/第2スティント担当 「ちょっと、いまいちどう踏ん張ったらいいのか分からないタイヤを履いていたのですが、結果的には最後まで(ポジションを死守して)走り切ることができました。グリップ的には厳しくて、再三後ろから迫られる展開になりました」 「3号車Niterra MOTUL Zがとても速く、仕掛けられそうになったのですが、抑えるところを何となく見極めて走っていたので、フルコースイエロー(FCY)が解除されたところでスピンしてくれたのは、こちらとしてはすごく助かりました。あのまま後ろに着かれていたら、おそらく抜かれていたんじゃないかと。なので、そこは大きなターニングポイントだったと思います」 「僕、実はスーパーGTに初めて乗ったのは則竹さん(則竹功雄JLOC監督)のところのオーディションだったので今日、こうしてチャンピオンとしてご一緒できて嬉しいです。まあ、当時のオーディションは不合格だったのですが」(会場大爆笑) ――シリーズチャンピオンを獲得して 「今年36号車に移籍してきて絶対に(チャンピオンを)獲らなきゃいけない環境に身を置くことになりました」 「シーズン開幕前は大丈夫だと思っていたものの、始まってみると苦戦するときもあってそれがプレッシャーにもなり、さらに最終戦前に坪井選手がスーパーフォーミュラでチャンピオンになっちゃうので(笑)」 「今まであまり緊張を感じることはなかったのですが……。そういったなかではありましたが、自分のパフォーマンスはしっかり出せたのかなと思っています」 ■伊藤大輔監督 「土曜日にポールポジションを獲ってチャンピオンを獲得できたのは嬉しかったのですが、(それとは別に)最終戦を勝利で終わりたいという気持ちが強かったので、気を緩めることなく今日のレースに挑みました」 「タイヤのことはありましたが、そこはふたりが腕の強さでねじ伏せてくれたのかなという印象です。ピットインのタイミングも『ライバル勢に勝ちたい!』という気持ちがあったので入るタイミングを合わせました」 ――シリーズチャンピオンを獲得して 「2連覇を目標にしたシーズンで、それが実現できたことが喜びでありホッとしているのが正直な気持ちです。36号車としては毎戦戦うなかで、『ひとりひとりがミスなくやることによって確実にポイントを重ねる』のがテーマでした」 「開幕戦で優勝できたのは良かったのですが、それ以降はウエイトの関係でドライバーたちは非常にストレスを感じることが多かったのかなと思いつつ、最終的には2連勝で終えることができました」 「今年は予選のルールが変更になったことも、我々のチームとしては良かった部分もありました。一年をとおしてミスなくやれたことが結果に繋がったと思います」 [オートスポーツweb 2024年12月08日]