ヒョンデ、WRCラリージャパンでのレギュレーション違反が発覚。写真の”差し替えミス”で800万円の罰金……しかし失格は逃れる
ヒョンデはWRCラリージャパンでレギュレーション違反があったことが発覚。あわや失格となるところだったが、原因が「ホモロゲーションフォーム」の写真の修正忘れという過失であったため、執行猶予付きの額も含め、総額5万ユーロ(800万円)の罰金で済んだ。 【ランキング】2024年WRCドライバーズランキング 問題とされたのは、ヒョンデのi20 N Rally1のリヤのディファレンシャルケース。ティエリー・ヌービルのマシンとアンドレアス・ミケルセンがドライブしたマシンの当該パーツが、提出されたホモロゲーションフォームに準拠していないと判断されたのだ。 これにより審査委員会は、2万5000ユーロ(約400万円)の罰金をヒョンデに対して科すことを決めた。また、2025年の1月に開催されるモンテカルロ・ラリーまでにホモロゲーションフォームを修正しなかった場合、さらには再び同様の違反を犯した場合には、追加で2万5000ユーロの罰金を科されることになる。 調査の結果この違反は、故意ではなくホモロゲーションフォームに添付された写真の「修正ミス」であることが分かったようだ。 審査委員会の報告書には、次のように記されている。 「審問中、クリスチャン・ロリオー氏(ヒョンデのWRCプログラムマネージャー)は、ホモロゲーションフォームの写真は、2021年に製作されたプロトタイプケースのものだと説明した」 「彼らのミスにより、ホモロゲーションフォームに添付された写真の修正を依頼し忘れていた」 「(シリル)アビテブール氏(ヒョンデのチーム代表)はミスを謝罪し、この類のミスを避けるために、社内のプロセスを改善する必要があると語った」 「彼は、CADファイルは取り付けられていたパーツと一致しており、誠意を持って行動したことを強調するために、これを考慮に入れるべきだと付け加えた」 「十分な審議の結果、審査委員会は、彼らのマシンに取り付けられたパーツがホモロゲーションフォームに準拠していること、そしてホモロゲーションフォームにパーツが準拠していることを確認するのは、間違いなく競技者の責任であると結論づけた」 「しかし競技者がリヤのディファレンシャルケースの外部のパーツを変更したい場合、Rally1グループの車両に対する2024年ホモロゲーション規則第5条に従って、変更が許可されていたことも考慮する必要がある」 「この事件は、ホモロゲーションフォームを適切に更新しなかった管理/事務場の誤りの結果であり、ヒョンデ内部のプロセスにおける管理不足が原因であると思われる。聴聞会でアビテブール氏が述べた通りだ」 本来ならばこの事案は、失格になってもおかしくはないものだ。しかし”例外的な状況”ではより軽い罰則となった判例があり、今回の件も”例外的な状況”だと認定され、罰金で済んだ。
Tom Howard