WEC第5戦開幕、ル・マンを終え、シリーズチャンピオンを賭けた争いが始まる【サンパウロ6時間 プレビュー】
標高が高く、パワーとエアロダイナミクスがポイントとなるインテルラゴス
サンパウロ6時間が行われるインテルラゴス・サーキット(正式名称アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ=Aut dromo Jos Carlos Pace)は、1940年にオープンした古き良きオールドファッションなコース。F1グランプリではおなじみだが、WEC世界耐久選手権の開催は2014年以来、10年ぶりとなる。 インテルラゴスの、インテル(=インター)は「間」、ラゴスは「湖」という意味で、その言葉が示すとおり、水と電気を供給すために作られたサンパウロ近郊のふたつの人工湖のほとりにある。なお、正式名称のアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェは、ブラジル出身のF1ドライバー、ホセ・カルロス・パーチェに由来する。 このサーキットの特徴は全体がすり鉢状になっていて、スロットル全開の高速の外周と、リズミカルなインフィールドセクションが組み合わされていること。コース幅はそれほど広くないが、それも手伝ってスリリングでダイナミックなオーバーテイクが見られる。 最大のオーバーテイクポイントは長い高速の最終コーナー終わりにある1コーナー。丘の頂点に向かって全開で駆け上がるため、オーバースピードでコースオフするクルマも多い。また、コーナーにはバンクがついているところが多く平均速度は高い。 アップダウンがありパワーが要求されるが、標高が800mと高いためパワーが出にくく、エアロダイナミクスもポイントとなる。
逆転タイトル獲得に向けて好位置につけるトヨタ
ル・マン24時間レースで惜しくも勝利は逃したトヨタは、それでも2台の入賞で多くのポイントを獲得したことでポルシェとの差を12ポイントに縮め、ここから6シーズン連続のマニュファクチャラーズチャンピオンを目指す。 ル・マン24時間で2位に入った7号車トヨタは、ル・マン直前に自転車の事故で肋骨と鎖骨を負傷したマイク・コンウェイが無事回復し、小林可夢偉とニック・デ・フリースとともにドライバーズタイトル獲得に向けて万全の体制でのぞむ。 ディフェンディングチャンピオンである8号車トヨタ(セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮)は、ル・マン24時間では不運な形で優勝争いから脱落したが、再びエキサイティングな上位争いに加わることは間違いなく、どのようなレースを見せるのか興味深い。 ■2024年WEC第5戦サンパウロ6時間ハイパーカークラス エントリーリスト 2 キャデラックVシリーズ/キャデラックレーシング 5 ポルシェ963/ポルシェペンスキーモータースポーツ 6 ポルシェ963/ポルシェペンスキーモータースポーツ 7 トヨタGR010ハイブリッド/トヨタGAZOOレーシング 8 トヨタGR010ハイブリッド/トヨタGAZOOレーシング 11 イソッタティーポ6-C/イソッタ・フラスキーニ 12 ポルシェ963/ハーツチームイオタ 15 BMW M ハイブリッド V8/BMW Mチーム WRT 20 BMW M ハイブリッド V8/BMW Mチーム WRT 35 アルピーヌA424/アルピーヌエンデュランスチーム 36 アルピーヌA424/アルピーヌエンデュランスチーム 38 ポルシェ963/ハーツチームイオタ 50 フェラーリ499P/フェラーリAFコルセ 51 フェラーリ499P/フェラーリAFコルセ 63 ランボルギーニSC63/ランボルギーニ・アイアンリンクス 83 フェラーリ499P/リシャール・ミルAFコルセ 93 プジョー9X8/プジョートタルエナジーズ 94 プジョー9X8/プジョートタルエナジーズ 99 ポルシェ963/プロトンコンペティション WEC第5戦サンパウロ6時間は、7月12日金曜日の2回の90分間にわたる公式練習セッションで幕を開け、現地時間13日土曜の15時10分から行われる予選とハイパーポールでスターティンググリッドを決定。決勝レースは14日日曜日11時30分(日本時間午後11時30分)にスタートが切られる。 ■2024年WEC第5戦サンパウロ6時間 タイムスケジュール フリー走行1回目:7月12日金曜日10時45分~(日本時間22時45分~) フリー走行2回目:7月12日金曜日15時15分~(日本時間 7月13日3時15分~) フリー走行3回目:7月13日土曜日10時30分~(日本時間22時30分~) ハイパーカー予選:7月13日土曜日15時10分~(日本時間 7月14日3時10分~) ハイパーポール:7月13日土曜日15時30分~(日本時間 7月14日3時30分~) 決勝:7月14日日曜日11時30分~(日本時間23時30分~)
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