救急車が「原則無料」は終わり?一部の地域だけではなく今後は全国的に「有料化」が広がるの?
「救急車が有料化される」という情報を耳にし、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。2024年より一部地域にて、一定の条件下で救急車を利用した場合に、費用がかかる仕組みが導入されました。救急車といえば「無料が当たり前」と思っていた私たちにとっては、大きな変化となります。 本記事では、救急車が有料化している地域や、有料化する理由、有料化がもたらす影響について解説します。 ▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?
救急車は有料化するのか?
救急車は基本的に無料ですが、一部の地域で、緊急性が低いにもかかわらず救急車を呼んだ場合に、お金がかかるようになりました。 三重県松阪市では、2024年6月1日から、救急車を呼んでも入院にならなかった場合は、対象の医療機関にて「選定療養費」として7700円を徴収することになりました。基本的には、入院にならなかった場合に7700円が徴収されますが、医師の判断により、お金がかからないケースもあるようです。 また、茨城県では、2024年12月2日午前8時30分より、救急車で搬送されたものの緊急性が認められなかった場合は、一部の医療機関で選定療養費が徴収されることになります。大きな病院が、本来の役割である「重症度の高い救急患者の対応」に集中できるようにするのが目的です。 軽症や入院の有無で判断するのではなく、救急車を呼んだ際の緊急性の高さで判断します。費用は1100円~1万3200円と、医療機関によって異なります。 2024年11月末時点で、救急車有料化を実施するのは、三重県松阪市と茨城県だけですが、今後は有料化する自治体が増えるかもしれません。
救急車が有料化される理由とは
救急車が有料化される理由は、救急要請数が増加しているためだと考えられます。 総務省の「令和5年版 救急・救助の現況」によると、令和4年の救急車の救急出動件数は722万9572件で、搬送人員は621万7283人でした。この数値は、前年よりも大幅に増加しており、平成14年以降、最も多い件数となりました。 また、同資料によると令和4年の傷病程度別搬送人員の割合は、表1の通りでした。 表1