もしかして2025年って、「ゲーム機が変わる年」ですか?
4.ここにきてセガが何かやろうとしている
と、ここまで新しいゲーム機を巡る話をしてきましたが、新しい動きを見せる「ゲームメーカー」も現れました。『ソニック』などを擁するセガです。独自のゲームサブスクリプションを立ち上げようとしている…という報道がされています。 これはすごくおもしろいなーと思いました。『龍が如く』や『ペルソナ』シリーズ(アトラスはセガの子会社です)はゲーム配信でも人気で、遊んでいる配信者が毎日どこかにはいる、みたいな感じになっています。もしセガのサブスク独占配信になっても、加入して遊びたいファンは多いでしょう。 どのプラットフォームでどのタイトルでも遊べるようになってきた関係で、おもしろい作品が作れるメーカーはビジネス的な勝負をかけやすいのかもしれません。 遊ぶ環境自体はもうたくさんあるから、自社のゲーム機にユーザーを囲わなくても、作ったゲームは遊んでもらえる。ゲーム機を作ることに固執する必要はもうなくなっているのかもしれません。 とりあえず、優れたゲームタイトルのほうから新しいアプローチを狙っているのが、かつてゲーム機戦争で敗れ去ったセガなのは、めちゃくちゃおもしろい気がするんですが、どうでしょうか。
5. Steamの野望
また、PC向けにゲームを配信するプラットフォーム「Steam」を運営するValveについても興味深いうわさが流れました。それは「もしかしたら据え置きのゲーム機を出すかも」というもの。 もし出るなら、Steamで配信されてるタイトルがぜんぶ遊べるでしょうね~。ValveはSteam DeckというハンドヘルドPC型の端末を既にリリースしているので…あれ? ソニーがもし「PS5のゲームが動く携帯機」を出すなら、似たような関係性になりませんか? 値段がPS5やXboxより安いのであれば、かなり魅力的な選択肢じゃないでしょうか。遊べる主要なゲームは変わらないでしょうから。
6. “一家に一台”が難しい中でメーカーはどうするんだろう?
ゲームを買う側にとってはいい時代です。メーカーがどんどん競争していて、たぶん『FF』がプレステでしか遊べなかった時代よりも、ずっと気軽に遊びたいゲームで遊べるようになっている。 でも、メーカーにとっては試練のときなのかもしれません。 ファミコン・スーファミ・プレステ/サターン等々と続いてきた「特定のゲームが特定のゲーム機でしか動かないのは当たり前」「強いゲームタイトルの力でハードも売る」というビジネスモデルは、多くのタイトルが配信されるようになった結果として完全に崩壊しているように見えるからです。 従来的なビジネスモデルを維持できそうなのは任天堂だけっぽい空気が。ハード・ゲームの両方を作る力がスゴくて、自社タイトルが自社ハードを牽引できてしまう。範馬勇次郎みたいな規格外感、豪腕が過ぎます。 ソニー(PS)・Xbox(Microsoft)・Steam(PC)については、遊ぶタイトルが共通化している面があるので、同じようなやり方ではやっていけないのかもしれません。 じゃあ2025年にゲームの世界は、任天堂が覇権をとってgg、なんでしょうか。 ここまでを見てきた感じだと、ほかのゲーム機/ゲームプラットフォーム/ゲームメーカーが何もしないでいるようには見えません。何か動きを見せる気がします。それもけっこうデカめの。 そんなわけで、2025年のゲーム機市場は、ゲームを買わずに眺めているだけでもおもしろいんじゃ、と。今までの枠組みに囚われない、新しい動きの中で、ゲーム機そのものも、ゲームも、変わっていきそうだからです。
かみやまたくみ