【不育症は遺伝するの?】家族が不育症と診断された場合の検査や遺伝性を産科医が解説
妊娠後、流産や死産を2回以上繰り返すことを「不育症」と言います。まだ原因などが判明していないことが多く、対応に困っている人や悩んでいる人も多いと思います。もし不育症と診断されたら、一体どうすればいいのでしょうか? 不育症の遺伝性や考えられる原因、検査、対処法などをまつみレディースクリニック三田の松見先生にお聞きしました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
妊娠しても流産・死産を繰り返してしまう不育症で最も多い原因とは?検査方法や診断について
編集部: 不育症とはなんですか? 松見先生: 妊娠をしても2回以上の流産や死産を繰り返して元気な赤ちゃんを授かることができない場合を不育症と呼びます。新しく、生児獲得歴の有無は問わず、流産または死産が2回以上あれば不育症と定義されるように改訂されました。 編集部: なぜ、不育症が発症するのですか? 松見先生: 不育症が発症する原因はまだよくわかっていないことが多いです。実際、全体の約65%は明らかな原因が不明となっています。そのほかには、抗リン脂質抗体陽性、子宮形態異常、凝固異常、甲状腺機能異常、染色体異常などのさまざまな原因で発症します。 編集部: 不育症か、それとも偶発的な流産か、どのようにして見分けるのですか? 松見先生: 問診や診察のあと、血液の凝固系やホルモンの値などを調べる必要があります。子宮形態異常については、超音波、子宮鏡、子宮卵管造影、MRIなどを用います。 編集部: 不育症と診断されたらどうするのですか? 松見先生: 不育症の原因を確認するために上記の検査を行います。不育症の原因は非常に多岐に渡ります。 厚生労働省研究班が作成した「厚労研究班の研究成果を基にした不育症管理に関する提言」の【不育症一次スクリーニング】にも、「子宮形態検査」「内分泌検査」「抗リン脂質抗体検査」「血液凝固因子検査」などが示されており、不育症の原因をみつけるために系統的なスクリーニング検査を行うことが必要です。