「ゴジラ-1.0」にも登場…昨年7月についに一般公開された、現存する「国内最大級の戦争遺跡」の全容
鹿島空跡の見どころとは
学芸員の高野華澄さんに、鹿島空跡の見どころを聞いてみた。 「私の思う鹿島空跡の魅力は、自然と共存する建物だと思っています。庁舎やボイラー室などの現存する建物を飾る植物は季節によって外観の彩りが変えてくれることで、春夏秋冬違った姿を見せてくれます。 士官宿舎跡などの史跡も、植物に囲まれたところを発見することでちょっとした冒険をしているみたいで大人でも思わず童心に帰ってしまう楽しさがあるのが魅力的です。私も初めて来たときそうだったので! パンフレットには海軍時代の建物の配置も載っているので、史跡と見比べて楽しむと本当に冒険しているような楽しみ方ができ、撮影にもよく使われる施設なので、好きなアーティストのMVの舞台になっている場所を探すなど、楽しみ方が1つではない魅力的な場所と思っています」 じっさい、鹿島空跡は「ゴジラ-1.0」をはじめ、映画、ドラマ、MVなどの撮影にしばしば使われているから、「聖地巡礼」的な楽しみ方もできるのは確かだろう。幸か不幸か、残存施設はほぼ手つかずのまま朽ちて残っているので、いわゆる廃墟好きな人の心もくすぐるに違いない。ただ、どんな興味の持ちようで訪れたにしても、現存する史跡の圧倒的な存在感を前に、「戦争」を意識しないわけにはいかない。 今年の夏は戦後79年。来年は80年の節目の年を迎える。さらに国際情勢はますますキナ臭さを増している。そんなときだからこそ、戦争を考え、平和を考える上でも、一度は訪ねてみる価値のある場所だと思う。 ---------- 開館時間/9:00~17:00(最終入園15:00)毎週土、日のみ開園 休園日/平日、年末年始(12月29日~1月3日)※臨時休園の場合あり。確認のこと 入園料/大人800円(団体20名以上1人500円)、小人300円(団体20名以上1人200円) ---------- ---------- 詳しくは「鹿島海軍航空隊跡」(美浦村 大山湖畔公園) 〒300-0402 茨城県稲敷郡美浦村大山2014-8 TEL/FAX 029-875-7221 E-Mail:kashima.navy.1936@gmail.com まで。 ----------
神立 尚紀(カメラマン・ノンフィクション作家)