「ゴジラ-1.0」にも登場…昨年7月についに一般公開された、現存する「国内最大級の戦争遺跡」の全容
実際の鹿島空跡へ
さて、鹿島海軍航空隊跡を見ていこう。 といっても、ここへたどり着くまでがなかなか大変である。なにしろ、公共交通機関がないのだ。最寄り駅であるJR常磐線土浦駅から21キロ。歩くと5時間はかかる。駐車場はあるので、最初から自動車で行くか、土浦駅でレンタカーを借りるのが現実的だろう。Googleマップによると、本稿執筆時点で土浦駅からタクシーに乗ると片道7800円から8700円という。土浦駅近くでレンタカーを借りると小型車なら7000円台で借りられるようだから、レンタカーを予約したほうが割安だろう。 運転免許のない、あるいはペーパードライバーの人は、誰かの車に乗せてもらうか、土浦駅でレンタサイクルを借りて片道2時間ほど自転車を漕ぐしかないと思われる。 というわけで、交通の便はかなりよくない。だが、だからこそ開発の手が入らず、貴重な戦時遺構がほとんど手つかずのまま残っていたのだとも言える。 ここは自治体からの委託を受け、同じ茨城県の戦争遺跡「筑波海軍航空隊記念館」などを運営する「株式会社プロジェクト茨城」(代表・金澤大介氏)が管理していて、鹿島空跡の開館は土日のみ(文末に詳細を記載)だから要注意だ。 航空隊の敷地のフェンス入り口から入ると、すぐ近くに「ゴジラ-1.0」で戦闘機「震電」が置かれていた旧自動車車庫に受付、売店、仮設のカフェがある。この自動車車庫には、戦時中、霞ケ浦から引き上げた水上機を牽引する大型の自動車が置かれていたという。 受付で入場料を払って自由に見学することになるが、航空基地というのはやたら広いし、丘のようなところを登る場所もあるから、歩きやすい靴を履いていくことをお勧めする。 朝10時と午後2時にはスタッフによる基地内のガイドがあり、入場料を払っていれば誰でも参加できる。そこで詳細な解説を聴いた上で気になったところを一回りするのもよいだろう。 ここで困るのが昼食をどうするかということだが、近くに飲食できる場所がないので、旧自動車車庫に併設のカフェで軽食を摂るか、昼食持参で行くことになる。「飲み物は蓋つきであれば持ち込み可、食べ物は自動車車庫ではOK、庁舎などの有料エリアでは不可」となっている。くれぐれもゴミは持ち帰っていただきたい。トイレは、自動車車庫の裏にある。