6連敗で自力Vが消滅した中日のなぜ
混セからの脱落を意味するのだろうか。 中日が29日、ナゴヤドームで行われた阪神戦に2-3と惜敗してついに6連敗。この日、ヤクルトが広島に勝ったため、阪神、ヤクルトの両首位チームとのゲーム差が「8」に広がり、39勝52敗2分で借金「13」を抱える中日の自力Vが消滅した。 中日は先発の雄太が先取点を取られたが、4回に先頭打者の荒木のツーベースを足がかりに阪神・能見の暴投と、エルナンデスのタイムリーで2-1と逆転に成功した。だが、7回一死から2番手の田島が、阪神のルーキー江越に同点本塁打を許し、2-2で迎えた9回には、一死二塁から3番手の又吉が再び江越に左中間を破る決勝タイムリーツーベースを浴びて、2-3のままゲームセットを迎えた。 江越に打たれたのはいずれも初球。試合後、江越は、「直球(7回の本塁打)を打ったので次は(9回のタイムリー二塁打)変化球を狙ってみた」と語っていたが、そのわかりやすい配球の裏を若いバッテリーはつけなかった。前日の阪神戦で3018試合の最多試合出場の日本記録を更新していた谷繁監督兼選手はマスクをかぶっておらず、初球から振ってくる積極的な江越に対しての配球ミスが勝敗を分けることになった。 阪神、ダイエー(ソフトバンク)、ヤクルトでプレーした評論家の池田親興氏は、「谷繁監督がマスクをかぶる試合と、若手の試合では試合内容が大きく変わる。江越に対する初球の配球も谷繁監督ならばもっと頭を使っただろうし、大きなジェスチャーで警戒を示したと思う。そのあたりが中日の課題のひとつ」と指摘する。 試合後、谷繁監督は、自力V消滅について問われると、「それは数字上だけでのこと。また勝っていけば(復活するから)」と、淡々と答えた。 残り試合を全勝した場合に優勝できる可能性を「自力V」と定義している。確かに、今後の展開次第で「自力V」が復活する可能性はあるが、谷繁監督兼選手が語るような復活の見通しはあるのだろうか。